土地家屋調査は定年後から目指せる?目指す際の注意点も解説

土地家屋調査は定年後から目指せる?目指す際の注意点も解説

「土地家屋調査士は定年後でも目指せる?」「土地家屋調査士として実務経験を積むには?」「土地家屋調査士を目指す際の注意点は?」
土地家屋調査士について、このような疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。

土地家屋調査士の仕事は、定年後でも目指せる仕事ですが、一定の条件をクリアできなければ収入を得ることが難しい職業です。
それでは、実際に定年後土地家屋調査士を目指す場合、注意すべきポイントはあるのでしょうか。

本記事では、定年後に土地家屋調査士を目指せるのか、土地家屋調査士として実務経験を積める場所、そして、定年後に土地家屋調査士を目指す際の注意点などについて紹介します。

土地家屋調査士の資格は定年後でも取得できる?

土地家屋調査士の資格は、何歳でも取得できるのでしょうか。
ここからは、定年後も土地家屋調査士の資格取得が可能かについて解説します。

  • 土地家屋調査士の平均年齢
  • 土地家屋調査士の資格試験の難易度

土地家屋調査士の平均年齢や試験の難易度を参考に、土地家屋調査士の資格を取得できる年齢について確認しましょう。

土地家屋調査士の平均年齢

土地家屋調査士の平均年齢は56歳です。
しかし、定年近くの年齢で未経験の状態から資格を取得し収入を得ることは難しくなります。
なぜなら、土地家屋調査士の平均年齢は高い年齢であるものの、多くの人は若い頃から現場で働いた経験をもち、平均年齢にあたる年代になったころには経営者の立場として仕事に関わるからです。
平均年齢が高いからといって未経験で資格取得を目指しても、いきなり土地家屋調査士として活躍することはほぼ不可能といえるでしょう。

土地家屋調査士の資格試験の難易度

例年、土地家屋調査士の資格試験の合格率は8〜9%前後と、難易度は比較的高い資格です。
合格者の半数以上は3回以上の受験を経験しているというデータがあるなど、一筋縄では合格が難しい試験といえます。

こちらの記事では、土地家屋調査士試験における分野ごとの出題数や配点について紹介しています。また、勉強法やおすすめの参考書も紹介していますので、受験を検討している方には必見の内容となっています。まずは基礎をしっかりと抑えて勉強に励み、試験に臨みましょう。
土地家屋調査士試験において民法が重要な理由や勉強法を紹介

定年後の土地家屋調査士の年収の目安

2023年に実施された求人サイト「求人ボックス」の調査によると、土地家屋調査士の平均年収は約383万円でした。
独立開業後は個人の実力や手腕によって収入額が左右されますが、年収1,000万円以上の高収入を目指せます。

定年後に土地家屋調査士として独立開業できる?

土地家屋調査士に必要な専門知識、補助役としての現場経験、クライアントや同業との人脈があれば、定年後に土地家屋調査士として独立開業できます。
専門知識は資格取得における勉強で補い、現場でしか培えない経験やスキルは2年ほどの補助役経験で得られます。

定年後に土地家屋調査士の実務経験を積む場所

ここまで、定年後に土地家屋調査士として働くことが可能であるかについて解説しました。
それでは、実際に定年後土地家屋調査士になりたい場合、実務経験を積む場所はあるのでしょうか。

ここからは、定年後に土地家屋調査士の実務経験を積む場所として、3つのケースを紹介します。

  • 調査士事務所で働く
  • 新人研修を受ける
  • 知人に教わる

3つそれぞれのケースについて、くわしく見ていきましょう。

調査士事務所で働く

土地家屋調査士として働くのにもっとも一般的なのが、調査士事務所に所属する働き方です。
しかし、実際に定年を迎えた60代の人材を積極的に採用しようと考える調査士事務所は少なくなっています。
なぜなら、土地家屋調査士のおもな仕事である測量は力仕事を行うための体力が必要になるからです。
そのほかにも、パソコン作業に慣れていないと図面作成が行えないなど、高齢者が未経験で調査士事務所に加入することは難しくなります。

新人研修を受ける

土地家屋調査士会が実施している新人研修を受講すれば、いきなり調査士事務所に就職するよりも低いハードルで現場経験を積めます。
新人研修は、土地家屋調査士の資格に合格後、土地家屋調査士として登録を行えば誰でも参加可能です。

知人に教わる

すでに土地家屋調査士や測量士として働いている人と交友関係がある人は、知人を頼って実務経験を積める現場に参加する方法もあります。
知人の紹介であれば、信頼関係のもとで友好的に迎えてくれるケースが多いため、現場経験を積める場所を比較的簡単に手に入れられます。

定年後に土地家屋調査士を目指す際の注意点

ここまで、定年後に土地家屋調査士として実務経験を積める場所について紹介しました。
それでは、実際に定年後土地家屋調査士として働くことになった場合、注意すべきポイントはあるのでしょうか。

ここからは、定年後に土地家屋調査士を目指す際の注意点について紹介します。

  • 体力が必要
  • 人脈や営業スキルが必要
  • 事務所の維持費が高い

今回は、3つの注意点について紹介します。

体力が必要

土地家屋調査士の仕事は多くが土地の測量を占めるため、現場で機械を運んだり中腰の姿勢で長い時間作業したりするなど、体力面で負担が大きい仕事です。
建物の登記や図面作成など、力仕事を伴わない仕事もありますが、土地家屋調査士として働くのであれば現場での力仕事は避けられません。そのため、力仕事を行えるだけの十分な体力をもっていることが重要です。

人脈や営業スキルが必要

土地家屋調査士の資格さえもっていれば安定した収入を得られるわけではない点が、土地家屋調査士の仕事の特徴です。
土地家屋調査士として働くのであれば、不動産関係者や士業関係の人と積極的に関わっていけるコミュニケーション能力や営業スキルが必要です。

事務所の維持費が高い

土地家屋調査士の事務所を構えるためには、莫大な維持費が必要です。
機材費や車両費、日本土地家屋調査士会連合会や土地家屋調査士会への登録料など、土地家屋調査士として働く環境を整えるためには高い維持費がついてまわります。
未経験で実務経験もなく、資産や経済的基盤も不十分である場合、土地家屋調査士として働ける環境をつくるのが難しくなります。

土地家屋調査士は定年後の就職も一応可能

定年後に土地家屋調査士として働くのは、簡単なことではありません。
しかし、人脈や営業力があれば、土地家屋調査士としてのセカンドキャリアを歩むことは可能です。

土地家屋調査士は、経済的・体力的負担が大きい仕事であるため、無理なく働けるかどうか十分に検討したうえで、今からでも目指せる働き方を見つけましょう。

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