土地家屋調査士試験において民法が重要な理由や勉強法を紹介

土地家屋調査士を目指している方のなかには、土地家屋調査士試験の勉強法がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

土地家屋調査士試験ではさまざまな分野の問題が出されますが、民法は特に押さえておきたい分野の1つです。

そこで本記事では、土地家屋調査士試験において民法が重要な理由や勉強法などを紹介します。
土地家屋調査士として活動したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

土地家屋調査士試験とは?

土地家屋調査士の資格は国家資格であり、土地家屋調査士になるためには、毎年行われている「土地家屋調査士試験」に合格しなければなりません。

土地家屋調査士試験は、毎年10月に筆記試験、翌年1月に口述試験が行われています。

筆記試験の合格者のみ口述試験に進むことができますが、受験者のほとんどは口述試験で落ちることはないとされているため、筆記試験がメインだといえるでしょう。

しかし、土地家屋調査士試験は出題される問題の難易度が非常に高く、合格率も8~9%と低いです。
そのため、試験に合格するためには、しっかり勉強をして知識を身につける必要があります。

土地家屋調査士試験の分野ごとの出題数や配点

土地家屋調査士試験は出題される問題の分野が広いです。
そのため、出題される問題の傾向を押さえたうえで、要点を押さえた勉強をしなければ合格することは難しいでしょう。

試験は100点満点で、解答形式は「択一問題(50点)」「記述問題(50点)」の2つが存在します。

土地家屋調査士試験の分野ごとの出題数や解答形式は以下のとおりです。

土地家屋調査士試験の分野ごとの出題数や解答形式

出題の分野 出題数 解答形式
不動産登記法 16問 択一
民法 3問 択一
土地家屋調査士法 1問 択一
土地関連 1問 記述
建物関連 1問 記述

 

土地家屋調査士試験の民法の分野が重要な理由

土地家屋調査士試験で出題される択一問題は全部で20問なので、100点満点中、択一問題の配点は1問につき2.5点です。

また、択一問題において民法は3問出題されるので、100点満点中、7.5点(2.5点×3問)が民法の分野の配点となります。

ここまで聞くと「100点満点中の7.5点なら、民法はそこまで重要ではないのでは?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

なぜなら、民法は法律の基礎なので、知識を身につけることにより、ほかの分野も理解しやすくなるからです。

特に、択一問題の大部分を占める不動産登記法は民法と関連性があるので、民法の知識を身につけることで不動産登記法も理解しやすくなるでしょう。

また、民法にはさまざまな分野がありますが、土地家屋調査試験において出題される民法の分野は「物権」「相続」の2つのみです。

物権と相続は民法のなかでは比較的わかりやすい分野のため、しっかり押さえておくことをおすすめします。

民法の分野で満点をとることは難しいのか?

土地家屋調査士試験において民法の知識を身につけることが重要な理由を紹介しましたが、民法の知識を押さえていても、試験で解答を間違えてしまう可能性は高いです。

その理由は、土地家屋調査士試験で出題される民法の問題文にあります。

土地家屋調査士試験で出題される民法の問題は、長文の問題が多いだけではなく、登場人物の関係性や行為が複雑になっていることも多いことから状況の整理に時間がかかります。

結果として、状況を誤って解釈してしまうことや、解答時間が足りなくなったことにより、答えを間違えてしまうことがあるのです。

土地家屋調査士試験における民法の分野の勉強法

土地家屋調査士試験において、法律の基礎である民法は、ほかの分野の問題にも応用がきくため優先的に勉強したほうがよいといえるでしょう。

しかし、民法の分野は問題文の構成が複雑かつ、文章が長い傾向にあるため、問題文の内容を整理・理解するために時間がかかります。

そのため、民法の分野で満点をとるためには、問題文から情報を素早く読み取る能力を身につけることが大切です。

具体的な勉強法としては、民法の条文を覚える際に「この法律はどのような場合に適用されるのか」「なぜこのような法律があるのか」といった具体例や原因を考えるとよいでしょう。

民法が適用される具体例を勉強せずに条文だけを暗記すると、問題文を見た際に「この民法は、この状況だと適用されるのかな?」という状況に直面することがあります。

また、土地家屋調査士試験で出題される民法の分野は、問題文に登場する人物の関係性や行為が複雑です。
脳内で情報を整理しようとすると時間がかかるため「登場人物が誰なのか」「誰がなにをしたのか」といった関係図を書くと、情報が整理しやすくなるのでおすすめです。

民法の分野を勉強する際におすすめ問題集や参考書

民法の知識を身につけるためには、通常の勉強法と同じく、参考書を読み問題集を解くという方法を行うことが基本です。

また、土地家屋調査士試験の問題集だけではなく、民法の参考書や、土地家屋調査士と内容が共通した部分が多い「宅地建物取引士」の参考書を読む方法も効果的です。

以下で紹介する問題集や参考書は、土地家屋調査士試験の民法の分野を勉強する際におすすめなので、参考にしてみてください。

土地家屋調査士 Top of The 民法 錬成問題集【寿】(東京法経学院)

「土地家屋調査士 Top of The 民法 錬成問題集」は、土地家屋調査士試験で多くの合格者を輩出している東京法経学院が監修した問題集です。

近年の試験の傾向を元に作成された民法の択一式の問題が多数収録されており、解答の解説がわかりやすいことに定評があります。

民法に特化した土地家屋調査士試験の勉強したい場合には、おすすめの問題集です。

民法が分かった(法学書院)

民法の基礎から勉強する場合は、法学書院が出版している「民法が分かった」がおすすめです。

幅広い分野の民法が網羅されているだけではなく、解説もわかりやすいことから高い人気がある参考書として知られています。

ただし、民法は随時法改正が行われているため、最新の民法の知識を身につけるためには最新版のものを購入しましょう。

土地家屋調査士 択一過去問マスターⅠ

東京法経学院が出版している「土地家屋調査士 択一過去問マスターⅠ」は、土地家屋調査士試験で実際に出題された問題が収録されている過去問題集です。

令和4年3月現在、平成1年度~令和2年度に出題された試験問題が網羅されているので、過去問題を解きたい場合にはおすすめの1冊です。

民法の知識を身につけると土地家屋調査士試験のさまざまな分野が理解しやすくなる

いかがでしたでしょうか。

民法は土地家屋調査士の基礎であり、押さえておくことでほかの分野も理解しやすくなります。

また、試験で出題される民法の分野は、問題文の構成が複雑になっていることが多いです。
問題文から状況を整理することはなかなか難しいため、問題を解く際は関係図を図示して状況を整理することをおすすめします。

もし、独学に限界を感じた場合は、土地家屋調査士に特化した予備校や通信講座も視野にいれてみましょう。

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