近年は本業の他に副業で副収入を得る方が増えてきました。土地屋敷調査士の資格を取得した方の中には、この資格を活かして副業に調整したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで副業を検討している土地屋敷調査士の方のため、土地屋敷調査士を副業にできるのか、士業との兼業は可能かなどについて解説します。
この記事を読むことによって土地屋敷調査士の副業事情がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
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土地家屋調査士を副業にできる?
法律的にみると、土地屋敷調査士の仕事をしているからといって副業できないといったことはありません。また、本業を別に持っている方でも、副業で土地屋敷調査士として働くことも可能です。うまく調整ができそうであれば、副業として土地屋敷調査士の仕事をすることについて検討してみても良いでしょう。
例えば、現在サラリーマンとして働いているものの、土地屋敷調査士の勉強をして、将来的には資格を取得したいと考えている方もいるのではないでしょうか。土地屋敷調査士の仕事が安定するまではサラリーマンを本業とし、副業として土地屋敷調査士の仕事に取り組みたいと考えている方もいるはずです。法律的には不可能ではありませんが、実際には難しい部分もあります。
副業にしづらい理由
残念ながら、土地屋敷調査士は副業にしやすい仕事とはいえません。その理由として、以下の事が着られます。
理由1.時間的な問題がある
いくらやる気があったとしても、時間的な問題があって非常に難しいです。
副業には本業の空いた時間で取り組んでいくことになりますが、土日が休みの方は副業として土地屋敷調査士はできません。なぜなら、土地屋敷調査士は平日の午前から夕方に業務に取り組んでいくことになるからです。
本業が休みの土日をうまく活用して副業に取り組んでいきたいと考えている方は、土地屋敷調査士以外の副業について検討してみましょう。土日に業務を行うこと自体は不可能ではありません。ですが、土地屋敷調査士の仕事では役所や業者との関わり合いが多く、特に役所は土日だと対応できません。さらに、法務局や市役所に出向いて行わなければならない業務もあります。開庁時間に足を運ばなければならないため、どうしても平日に時間を取れる方でなければなりません。
関連業者などから書類に関する電話などがかかってくることになりますが、これも平日の日中です。平日は本業をしていて電話対応ができないといったことになると、副業にするのは難しくなるでしょう。
つまり、本業が同日休みではなく、平日でも時間の都合がつく方であれば検討できるともいえます。例えば、フリーランスとして働いている方の中には、自身で働く時間を調整できるケースもあるでしょう。そういった場合は土地屋敷調査士の仕事を平日の昼間行い、本業はその他の時間で行うといった選択肢もあります。平日の昼間に土地屋敷調査士の業務ができて、なおかつある程度の依頼数が期待できるようでなければ副業として土地屋敷調査士の仕事を行うのは難しいです。
理由2.経費がかかる
土地屋敷調査士として働くにあたり、費用の問題もあります。初期費用として80~100万円ほどかかるほか、月々の経費としても10万円近く、またはそれ以上かかってしまうことが多いです。これには、調査士会の会費のほか、CADのリース代などが含まれます。副業として土地屋敷調査士の仕事を行う場合、経費以上に稼げるのか考えなければなりません。本格的に業務に取り組むための機器や道具を購入するとなればまとまった費用も必要となります。
理由3.仕事を選ぶのが難しい
時間的な問題や経費の問題で土地屋敷調査士を副業として行うは難しいとご紹介しました。ですが、現場作業が少ない登記のみに限定して副業を行えば、何とかなるのではないかと感じた方もいるのではないでしょうか。
建物の登記は、土地の登記と比較すると必要となる器械が安く購入できるのも特徴です。ですが、業務内容を厳選して受けるのは難しいといえます。そもそも都市部でなければ土地屋敷調査士のお仕事量はそれほど多くありません。限定的に仕事を受ける土地屋敷調査士よりも、幅広く対応してくれる土地屋敷調査士のほうが需要はあります。
理由4.全く未経験から始めるのは不可能
資格を取得できれば土地屋敷調査士として働けますが、実務経験は必要です。測量には専門的な知識が必要となり、実際に器械を使った経験がなければ業務はできません。そのため、サラリーマンなど他の仕事をしている方が資格だけ取得したとしても副業で土地屋敷調査士を始めることはできないと考えたほうが良いでしょう。新人実務研修を受ける選択肢もありますが、学びのためにかかる期間は長いです。
他士業との兼業はできる?
ご紹介してきたように、さまざまな理由から土地屋敷調査士の仕事を副業として始めるのは非常に難しいです。実現しやすい副業を探しているのであれば、土地屋敷調査士以外について検討をすることになります。ですが、副業としてではなく、兼業として土地屋敷調査士の仕事を行う事は可能です。例えば、行政書士や司法書士として本業を行っている方は、その副業として土地屋敷調査士の業務に取り組むことを検討してみても良いでしょう。
実際に、行政書士や司法書士の業務を行いながら兼業として土地屋敷調査士の仕事をしている方もいます。他には、測量士や建築士なども土地屋敷調査士と兼業するのに相性が良いです。
土地家屋調査士と司法書士は業務内容が似ている部分が多いです。こちらの記事ではそれぞれの違いや、試験内容について解説しています。兼業を考えている方はぜひあわせてご覧ください。
土地家屋調査士と司法書士の違いとは?兼業はできる?
副業としての土地屋敷調査士には注意が必要
いかがだったでしょうか。土地屋敷調査士の副業事情などについて解説しました。仕事を行う時間や経費の問題などもあり、一部の本業を除き、副業として行うのは難しいといえます。サラリーマンの方などが副業として検討しているのであれば、注意して検討してみてください。
当サイトでは、これから土地屋敷調査士試験に取り組みたいと考えている方のため、役立つ情報を紹介しています。知識を深めるのにぜひ役立ててみてください。