
土地家屋調査士の仕事は男性がするイメージが強いかもしれませんが、活躍している女性も存在します。それでも、まだまだ少ないのが現状です。ではなぜ、活躍している女性は少ないのでしょうか。また向いているのはどのような女性なのでしょう。本記事では、女性の土地家屋調査士が少ない原因や向いている方の特徴について解説します。
Contents
土地家屋調査士の男女比
土地家屋調査士は男性が多い職業ですが、具体的な男女比はどのくらいなのでしょうか。日本全国あなたの近くの土地家屋調査士の調査結果によると、令和3年4月1日時点での男女比率は男性が96.3%(16,141人)、女性が3.2%(521人)でした。全体で見ると女性の活躍は少ないですが、年々増加傾向にあります。
女性の土地家屋調査士が少ない原因
ここでは、女性の土地家屋調査士が少ない原因について解説します。考えられる主な原因は以下の5つです。
- 日焼けしやすい
- 身体への負担が大きい
- トイレに行きづらい
- 妊娠中や産後は働けない
- 家庭との両立が難しい
- 気を使われる可能性がある
それぞれの内容を見ていきましょう。
日焼けしやすい
業務内容のなかには、屋外での作業があります。屋外での作業中は直射日光を浴び続けることになるので、日焼けはするでしょう。塗り直せばよいと思うかもしれませんが、現場作業中は塗り直しできないことも少なくありません。かといってマスクや長袖を着用すれば、熱中症になる可能性が高くなります。
そのため、仕事をするうえで日焼けは避けられないと考えておくとよいでしょう。そのため、日焼けしたくない方や紫外線アレルギーのある方には向いていない職業といえます。日焼けすることに抵抗がなく、工夫して対策できる方には向いている職業でしょう。
身体への負担が大きい
体力勝負な部分があるのも、女性にとって働きにくいと思わせてしまう原因の一つです。とくに屋外では、直射日光を浴びながら作業しなければならないため、時期や気候によってはやりにくい日もあるでしょう。虫や動物に遭遇することもあり、苦手意識があれば精神的にきつい思いをするかもしれません。
しかし、どの仕事でも慣れれば体力がついてトラブルにも対処できるようになるため、長い目で見るのが重要です。屋外での作業は男性でもきつい思いをします。必ずしも女性にとってきつい仕事ではないため、気になる方は前向きに検討するとよいでしょう。
トイレに行きづらい
土地家屋調査士になると男性と行動することが増えるため、トイレに行きたいと言いにくいことがあるかもしれません。とくに屋外で作業する際は近くにトイレがあるとも限りません。
とくに女性には生理があるため、長時間トイレに行けないと作業に集中できなくなることもあります。男性に言いにくいことではありますが、トイレを我慢することは身体に悪いため、しっかり伝えることが大切です。1日のスケジュールをチェックして、あとからトイレに行きたくならないように、早めにトイレ休憩をとるなど工夫しましょう。
妊娠中や産後は働けない
長時間歩き回ったり屋外の作業があったりする仕事のため、妊娠中や産後すぐに働くと身体に負担がかかります。これらのことから、女性には向かない職業というイメージが広がっているのかもしれません。
しかし実際は、妊娠中や産後の状態を上司に話すと、デスクワークに変えてもらえる場合があります。妊娠・出産をすると仕事を任せてもらえないということはないため、身体に負担がかからない程度に与えられた仕事を率先して行いましょう。
妊娠・出産時の対応について気になる人は、就職時に聞いてみるとよいでしょう。
家庭との両立が難しい
業務上、残業や土日出勤が多く、出張もお願いされることがあります。勤務先や時期によって忙しさは異なりますが、家族との時間を削らなければならない日もでてくるでしょう。子どもがまだ小さかったり介護が必要な両親と同居していたりする場合は、ワークライフバランスがとりにくくなるかもしれません。
家庭の事情を話すと業務内容が緩和されることもありますが、独立してフリーランスとして働くのも選択肢の一つです。契約数やスケジュールを自分で調整できるため、雇われて働くよりも時間の融通が効きやすくなります。
気を使われる可能性がある
建築や土地などを取り扱い仕事には男性が多く働いているため、女性は気を使われる傾向にあります。重たい荷物や外仕事などは積極的に男性が行い、女性に負担のないように配慮してくれるケースもあるでしょう。
しかしこれでは土地家屋調査士としての業務を一貫して行えず、経験を積むことができません。責任のある仕事を任せてもらいためにも、配慮は必要ない旨を伝えることが大切です。
独立までの流れ
土地家屋調査士として独立するには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。土地家屋調査士は独立して成功しやすいといわれていますが、一定の流れに沿って手続きを行う必要があります。流れとしては以下の通りです。
- 土地家屋調査士試験に合格する
- 日本土地家屋調査会士連合会に登録
- 開業する地域の土地家屋調査士会に入会
- 開業届を提出する
- 3つ目
まずは、年に1回実施される土地家屋調査士試験に合格しなければなりません。試験は決して簡単ではなく、合格率は10%程度です。対策を練り、合格を目指して勉強しましょう。
合格後は日本土地家屋調査会士連合会に登録します。登録しないと土地家屋調査士と名乗れないため、必ず登録するようにしましょう。次に開業する予定の地域の土地家屋調査士会に入会し、税務署に開業届を出します。開業届を提出すれば事業開始です。
事業を開始するにあたって最低限必要なものは揃えておく必要があります。cadや機材など必要なものをリストアップして、揃え忘れのないようにしましょう。
合格後すぐに独立する場合は、実務研修を受けることをおすすめします。現場で役立つ内容を学べるだけではなく、全国の土地家屋調査士と交流する機会も提供されます。登録して1年以内の人であれば受けられるので検討するとよいでしょう。
他にも、土地家屋調査士法人や関連企業に就職して経験を積んでから独立するのも一案です。土地家屋調査士としての業務を一通り経験できるため、独立後につまずきにくくなります。
こちらの記事では、土地家屋調査士として独立開業する際のメリットなどを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士開業して独立をするのに必要なものとは?
土地家屋調査士に向いている方の特徴
では、どのような女性が土地家屋調査士として活躍できるのでしょうか。ここでは、向いている方の特徴を4つ解説します。
- コミュニケーション能力が高い
- 屋外での作業に抵抗がない
- 体力に自信がある
- 営業力がある
それぞれの内容を見ていきましょう。
コミュニケーション能力が高い
土地家屋調査士は、人と関わることが多い仕事です。相談から契約、測量時の立ち会い、役所の人とのやり取りなど、人と関わるシーンが多数あります。
そのため、コミュニケーション能力の高さ必要です。顧客に対して専門知識をわかりやすく解説したり誤解のないように物事を進めたりできれば、トラブルに巻き込まれることもないでしょう。人と話すのが好き、得意な方は、土地家屋調査士に向いています。
屋外での作業に抵抗がない
土地家屋調査士の業務のなかには、外に出て作業を行うものがあります。春や秋など比較的過ごしやすい季節なら問題ありませんが、夏や冬などは暑さや寒さに耐えながら仕事をしなくてはいけません。
紫外線も浴びるため、日焼けは免れないでしょう。そのため土地家屋調査士としてやっていくには、屋外での作業に抵抗がないのが必須条件といえます。
体力に自信がある
体力に自信がある女性も、土地家屋調査士に向いているといえます。重たいものを持ち運ぶ業務はあまりありませんが、外勤・内勤どちらも対応しなければならないため体力勝負な仕事であるのも事実です。とくに屋外で1日作業することもあるため、体力がないと仕事に支障が及びます。
営業力がある
コミュニケーション能力の高さにくわえて、説得力があったり専門知識に精通していたりと営業に役立つ能力が高い女性にも向いている職業といえます。土地家屋調査士も契約を結ばないと仕事としてやっていけないため、営業力が欠かせません。
営業力が高ければ努力が認められて、給料がアップしたり昇進したりする可能性もあります。また独立を視野に入れているなら、営業力は必要なスキルです。ひたむきに営業力を積み重ねる女性は、土地家屋調査士として活躍するでしょう。
土地家屋調査士として活躍する女性続出中!
土地家屋調査士は、コミュニケーション能力が高くて室外での作業に抵抗がなければ、女性でも活躍できる職業です。女性ならではの悩みで仕事に支障が出ると不安に思うかもしれませんが、工夫することで働きやすい環境になります。
当サイトでは、おすすめの土地調査士の予備校をランキング形式で紹介しています。女性の方で土地家屋調査士を目指している方は、ぜひ予備校を活用して試験に挑んでみてはいかがでしょうか。本業や家事育児の合間でも挑戦しやすい予備校が見つかるかもしれません。