女性も活躍中!土地家屋調査士の世界

土地家屋調査士は外での作業も多く、重労働のイメージがある職業です。実際、土地家屋調査士のほとんどは男性のため、「女性向きの仕事ではない」と思っている方も多いでしょう。しかし、女性でも調査士として十分活躍できます。

今回は、土地家屋調査士が女性にもおすすめな理由や、女性調査士ならではの強みについて解説します。

土地家屋調査士の女性の割合

日本土地家屋調査士会連合会の資料によると、2021年4月1日時点での日本土地家屋調査士会連合会の女性会員の割合は3.2%と少ないです。
また、土地家屋調査士試験の合格者においても、例年女性は約5%と少ない割合となっています。
現在の女性調査士の比率はきわめて少ないですが、「女性だと土地家屋調査士になれない」というわけではありません。

こちらの記事では、土地家屋調査士の業務内容や待遇を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士とは?主な業務内容を徹底解説

女性でも土地家屋調査士になれる理由

土地家屋調査士は現場での仕事がメインとなり、男性向きだと思われることが多いです。しかし、女性でも土地家屋調査士の業務は問題なく行えます。
女性でも土地家屋調査士になれる理由は、以下の2つです。

  • 実は重労働ではない
  • 人手不足だから採用されやすい

実は重労働ではない

現場での仕事が多く、重い機材を持ち歩くイメージのある土地家屋調査士ですが、意外にも重労働は少ないです。
土地家屋調査士の業務は、現場での仕事だけではありません。図面や申請書を作成したり、不動産所有者や関係者と打合せをしたりなど、女性でも難なくできる仕事もあります。
また、重労働だと思われがちな土地の測量などの仕事は、意外にきつくありません。確かに重い機材を運んだり、杭を打ったりもしますが、現在は機材なども軽量化しているので女性でも持ち運び可能です。
1日中ずっと力仕事をすることもないので、女性も問題なく仕事をこなせます。

人手不足だから採用されやすい

土地家屋調査士は将来性のある職業ですが、人手不足が深刻です。実際、人手不足で悩んでいる事務所も多く存在します。
しかし、採用の際に性別が重視されにくく、女性でも採用されやすいのがメリットです。

女性調査士の強み・弱み

女性調査士は貴重な存在で、女性ならではの強みもあります。主なものは、以下の3つです。

  • 女性が少ない業界であるため、女性であること自体が強み
  • 女性は細かいところまで気づきやすい
  • 打合せなどの場で、女性ならではの柔らかい印象を与えられる

土地家屋調査士は女性が少ないので、「女性の土地家屋調査士である」というだけで重宝されやすいです。不動産所有者の中には女性の方も当然いるため、「同じ女性である土地家屋調査士に依頼したい」と言われることもあります。そのような場合、女性であること自体が強みとなり得ます。
また、女性の特性として、細かいところへの気配りや図面・書類などの丁寧な作成が比較的得意であることも強みです。女性は気配りや細かいデータの管理などが得意な傾向があるため、そうした特性も土地家屋調査士の業務に活かせます。
さらに、不動産所有者との打合せや交渉の際にも、女性ならではの柔らかい印象を強みとして活かせます。とくに交渉においては、女性が得意な傾向にあるコミュニケーション力が重要です。

一方で、女性ならではの弱みもあります。主なものは以下の2つです。

  • どうしても体力面で男性に劣る
  • 女性特有の苦労することがある

女性である以上、体力や筋力が求められる場で男性と同等の働きをするのは、どうしても難しいです。もちろん女性でも業務を行うことは可能ですが、男女の差を感じる場面はあるでしょう。
また、女性特有の苦労することがあるのも事実です。詳しくは次項にて解説します。

女性調査士が苦労すること

女性調査士が苦労することとして、主なものは以下の4つです。

  • 日焼け
  • トイレ
  • 余計な気遣い
  • 妊娠中や産後は働けない

日焼け

土地家屋調査士は、現場での測量などを行う場合、1日中外へ出ていることもあります。そのため紫外線も浴び続けることになり、日焼けしやすいです。とくに夏は、必ず日焼けします。
作業中は、帽子や手袋などを着けていても問題ありません。しかし、夏の日差しはそれだけでは防げず、日焼け止めもすぐ落ちてしまいます。日焼け止めを塗り直すのもなかなかできないため、土地家屋調査士で外で作業をする以上「日焼けは必ずするもの」と思っていたほうが良いでしょう。

トイレ

外での作業が続く日は、なかなかトイレに行けません。
基本的に作業は2人1組で行うので同行者の許可を得れば問題ありませんが、同行者も男性であることが多いため、言い出しにくいのが難点です。
また、現場近くにトイレがなかったり、外作業が中断できなかったりする場合もあります。
とくに女性は、生理の時に注意しましょう。長時間ナプキンが変えられないこともあるため、自分が仕事をしやすいように対処が必要です。

余計な気遣い

女性調査士は少ないため、女性に対して必要以上の気遣いをしてしまう男性調査士がいるのも事実です。
たとえば、「女性だから」という理由で現場での作業をしなくて済むよう気遣われ、事務作業ばかり頼まれるといったようなことがあります。
実際、現場での作業は大変なため、厚意でこうした気遣いをしている男性がほとんどです。しかし、事務作業だけをしていても土地家屋調査士としてのスキルアップはできません。独立するためにも、現場での経験を積んで学んでいく必要があります。結果、女性調査士への気遣いが、本人のスキルアップを妨げる余計なものになってしまうのです。
もちろん、「現場での作業を減らす」といった気遣いが助かる女性調査士もいるでしょう。気遣いの受け取り方は人それぞれなので、自分が良い気遣いだと感じなかった場合は意思表示していくのが大切です。

妊娠中や産後は働けない

現場作業は重労働ではありませんが、やはり妊娠中や産後すぐは現場作業はしないほうが良いです。どうしても重いものを持ったり、外に長時間いたりしなくてはならないため、妊娠中や産後すぐの体には危険となる可能性があります。
とはいえ、事務作業であれば問題なくできるので、土地家屋調査士を諦める必要はありません。土地家屋調査士は国家資格であり、妊娠中や産後のブランクがあっても資格を武器に仕事復帰しやすい職業でもあるので、興味がある場合は積極的に挑戦してみましょう。

仕事と家庭は両立できる?

土地家屋調査士の仕事は、比較的家庭と両立しやすいです。
一般的な会社勤めとは違い、調査士の仕事は全国どこでも行える仕事です。転居や配偶者の転勤などがあった場合も、移った場所で土地家屋調査士のキャリアを再開できます。
また、独立を目指せることも魅力です。独立して上手くスケジュールを組みつつ、家庭と両立させている女性調査士もいます。
資格を持っていれば、場所に縛られず長く働けるのが土地家屋調査士です。妊娠や出産などを踏まえてキャリアプランを考えなくてはいけない女性にも向いている職業だと言えます。

土地家屋調査士は女性にもおすすめな仕事

土地家屋調査士の仕事は女性にもできること、女性調査士ならではの強みや魅力について解説しました。
女性はライフイベントで働けなくなる可能性もあるため、資格を持っていれば全国で長く働いていける調査士の仕事はおすすめです。
土地家屋調査士に興味をお持ちの女性は、目指してみてはいかがでしょうか。

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