土地家屋調査士試験の午後の部で合否が決まる?

土地家屋調査士試験は、筆記試験が午前の部と午後の部に分かれているのが特徴です。とくに午後の部は難易度が高く、午後の部の対策次第で合否が決まるとも言われています。

今回は、土地家屋調査士試験の午後の部について、概要や試験内容、対策方法について解説します。

土地家屋調査士試験の概要

土地家屋調査士の試験は、年1回のペースで、以下の3種類に分けて行われます。

  • 筆記試験(午前の部)
  • 筆記試験(午後の部)
  • 口述試験

筆記試験の午前の部と午後の部は同じ日に行われ、筆記試験の合格者のみ、別日に口述試験が課されます。
土地家屋調査士試験に合格するためには、筆記試験の対策が最も重要です。口述試験は受験者のほぼ全員が合格できるため、特別な対策は必要ないと言われています。
筆記試験の中では、とくに午後の部が難関です。参考書やスクールを活用し、しっかりした準備が必要となります。
一方で、筆記試験の午前の部は、試験を免除できる制度を利用する方がほとんどです。午前の部については対策できる参考書も少ないため、免除制度を使うことをおすすめします。

土地家屋調査士試験の午後の部の筆記内容

試験の合否の鍵となる午後の部は、以下の2種類で構成されています。

  • 択一式試験
  • 記述式試験

試験時間は2時間30分です。詳しい出題内容については、次項にて解説します。

択一式試験

択一式試験では、選択肢の中から正解を1つ選ぶ形式の問題20問が出題されます。
出題範囲は、民法、不動産の登記および審査請求の手続などに関する知識、土地家屋調査士法です。
問題の難易度は高くないため、テキストを読み込んで過去問を解いておけば答えられます。しかし、本試験では択一式問題になるべく時間をかけず、記述式問題に多く時間を割くのがベストです。そのため、問題を素早く正確に解くスキルが求められます。

記述式試験

記述式試験では、土地について1問と、建物について1問の計2問が出題されます。
内容としては、いくつかのヒントをもとに計算して数値を出し、その数値を用いて申請書を作成するというものです。申請書の作成には、計算だけでなく作図も求められます。そのため、あらかじめ計算や作図に慣れておくことが必要です。

土地家屋調査試験の最終合格率

土地家屋調査士の試験の最終合格率は、8~10%と低い水準になっています。
ほとんどの人が午前の部を免除していること、口述試験はほぼ全員が合格することを考えると、この合格率は午後の部が影響していると言えるでしょう。
近年では土地家屋調査士試験を受験する人数が減ったため、合格率は上昇傾向にあります。しかし、未だ試験の難易度は高いままです。

土地家屋調査士試験の難易度が高い理由

土地家屋調査士試験、とくに午後の部の難易度が高い理由は、以下の3つです。

  • 計算と作図能力が問われるため
  • 過去問の蓄積がない民法からも出題されるため
  • 試験時間が短いため

理由①計算と作図能力が問われるため

午後の部の記述式問題では、関数電卓を使った複雑な計算と作図能力が問われます。関数電卓や定規を使い慣れていなかったり、計算問題に慣れていなかったりすると、難易度が高く感じる方も多いです。
また、計算や作図では正確さも求められます。細かい数値を間違えず、ズレや記入漏れがないように図面を作成しなければいけません。
記述式問題の対策は、以上のように初学者にとってはハードルが高いため、参考書ではなくスクールで学ぶことをおすすめします。スクールでは詳細な解説を受けることができ、不明な点は講師に質問も可能です。スクールを活用して何度も取り組むことで、次第に理解できるようになるでしょう。

理由②過去問の蓄積がない民法からも出題されるため

択一式問題の出題分野の1つである民法は、平成16年度から試験範囲に組み込まれるようになりました。そのため、民法が出題範囲となっている過去問はまだ数が少ないです。過去問の数が少ないと、出題の傾向やパターンが分析しにくくなり、対策もしにくくなります。
とくに民法は出題範囲が広く、専門用語も多く出てくるため覚えにくいです。法律を学んだことがない方にとっては鬼門となるでしょう。
民法については、過去問だけでなく専門の問題集を使ったり、知識が定着しやすい参考書を使ったりして勉強するのがおすすめです。

理由③試験時間が短いため

午後の部は、出題内容のボリュームに対して試験時間が短いです。素早く正確に問題を解き、計算・作図を行う能力が求められます。
とくに初学者がつまずきやすいのが、作図です。作図に時間をかけすぎてしまい、問題が解き終わらない方も多くいます。正確な作図を短い時間で行えるようになるには、とにかく作図に慣れることが重要です。
いきなり作図に挑戦するのは難易度が高いため、学習が進み知識が身についてきたら、参考書やスクールも活用して作図を繰り返すようにしましょう。

土地家屋調査士試験はどのくらい勉強すれば合格できる?

土地家屋調査士の試験に必要な勉強時間は、約1,000時間と言われています。これは、難関資格の1つである司法書士と同等くらいの勉強時間です。
出題範囲が幅広く、対策しなければならない項目も多いため、相応の勉強量が必要です。

土地屋調査士の勉強を有利に進めるためのポイント

土地家屋調査士の勉強を有利に進めるためのポイントは、以下の3つです。

  • 択一の民法から勉強を始める
  • 論点を学んだら過去問を見る
  • 書式は電卓や定規に触れ使い方に慣れる

ポイント①択一の民法から勉強を始める

土地家屋調査士の試験勉強を始める際は、択一式問題の民法から学んでいきましょう。民法は出題範囲が広く、法律を学んだことがない方にとっては勉強に時間がかかるからです。早めに始めて、時間をかけて少しずつ知識を覚えるようにしておくと安心です。
また、民法の知識は不動産の売買・相続、申請の代理などのルールの基礎にもなっています。そのため、民法の知識を最初に頭に入れておくと、その他の試験範囲の勉強もスムーズに行えます。

ポイント②論点を学んだら過去問を見る

過去問を繰り返し活用することも大事です。
過去問の活用方法としては、「参考書やテキストを読んで論点を学んだらすぐに過去問を解き、過去問を解いた後に再度参考書やテキストに戻る」という方法がおすすめです。「学んだ論点がどのように出題されるのか」を過去問から知れるので、再び参考書やテキストを読む際も必要な情報を効率よく学べます。
また、過去問は、最近のものから過去のものへとさかのぼって解くようにしましょう。ある程度の知識がついてきたら、時間を計りながら解くようにしておくと問題を解くスピードも鍛えられます。

ポイント③書式は電卓や定規に触れ使い方に慣れる

午後の部の記述式問題では、関数電卓を使った計算と作図が必要です。過去問で記述式問題を解き始める前に、あらかじめ関数電卓や定規の使い方に慣れておきましょう。
とくに定規は、ずれや歪みのない正確な図面を描こうとすると、使い方が難しいです。定規の使い方を知識として頭に入れることはもちろん、実際に定規を使って感覚を身につけることも必要です。
電卓や定規の使い方は、最初は慣れなくても何度も繰り返すうちに徐々に身についていきます。全く使ったことがない方も心配せず、早めに電卓や定規を使う練習を始めておけば大丈夫です。
スクールに通ったり通信講座を受けたりすると、電卓や定規の使い方も実際に動きを目で見て学べるため、参考書やテキストよりもさらに理解しやすくなります。

土地家屋調査士試験の午後の部は合否に関わるため対策が必要

土地家屋調査士試験の午後の部は、合否に大きく関わる部分であることを解説しました。
合格を目指すなら、難関と言われる午後の部へのしっかりした対策が必要です。
専門的な知識や計算問題、作図が求められるため、初学者の方には難易度が高いですが、過去問やスクールで準備をすれば十分合格を狙えます。

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