土地家屋調査士試験は過去問攻略が鍵!おすすめ過去問集も紹介

土地家屋調査士の試験で合格を目指す場合、過去問を解いているかどうかで結果は大きく左右されます。なぜなら、あらかじめ過去問で試験の出題傾向などを知っておくことで、適切な対策ができるからです。実際、試験に合格した人のほとんどは過去問を解いています。土地家屋調査士試験で合格を目指すなら、過去問で対策をしておくべきでしょう。

今回は、土地家屋調査士試験を受けるにあたっての過去問の重要性や活用方法、おすすめの過去問集について紹介します。

土地家屋調査士試験における過去問の重要性

土地家屋調査士の試験を受ける際、過去問を事前に解いておくことは重要です。過去問を解くことで、本試験の問題の出題傾向や難易度をあらかじめ把握できます。

また、本試験での時間配分も考えられます。本試験で時間が足りなくなるという事態を招かないためにも、過去問は解いておいた方が良いでしょう。

土地家屋調査士試験の過去問は何年分やるべき?

試験の過去問は、直近10年分は必ず解いておきましょう。可能であれば、平成17年度(2005年度)以降のものを全て解いておくのが理想です。

平成17年度以降の過去問を解くことが必要な理由は、平成17年度から不動産登記法が大きく改正されたからです。平成17年度から前の過去問は法改正前の情報のため、無理して解いておく必要はありません。

もちろん、なるべく多く過去問を解いておくのは良いことです。しかし、法改正前の情報と混同して記憶してしまうのを防ぐためにも、過去問は多くても20年分に留めておくのをおすすめします。

過去問サイトも活用する

過去問というと、書店で販売されている問題集をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、Web上の過去問サイトも効果的です。

土地家屋調査士試験の過去問のサイトとして最も知られているのは、行政書士西尾真一事務所が運営する「土地家屋調査士試験  択一過去問サイト」です。有料で公開されている詳しい解説は問題で問われている答えに付随した知識まで網羅され、充実しています。

無料で見られるサイトもある

過去問サイトの中には、無料で見られるサイトもあります。

たとえば法務省のホームページでは、無料で直近5年分の問題用紙と解答用紙をPDFファイルでダウンロード可能です。それ以前の過去問に関しては法務省のホームページでは公開されていませんが、転載してまとめている別の無料サイトもあります。

過去問の解説動画を無料で公開しているサイトもありますので、活用すると良いでしょう。

過去問の有効な使い方

過去問の有効な使い方は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 過去問は必ず周回する
  • 正解しても解説は読む
  • 本番を意識して過去問の演習を解く

過去問は必ず周回する

過去問は数を多くこなすことよりも、理解を深めつつ何度も解きなおすことが重要です。1度解いただけで終わりにせず、必ず何度も周回するようにしましょう。

過去問を解く最大の目的は、知識を定着させることです。知識は何度も復習することで刷り込まれていくため、過去問も繰り返し解く必要があります。

しかし、同じ過去問を時間を置かずに繰り返しても意味がありません。1度過去問を解いたら、少し時間を置いた後に改めて解く方法がおすすめです。

最新のものから順に過去へ20年分さかのぼるのを1周とし、何度も周回しておくと、知識も定着していきます。

過去問を解き始めるタイミングも重要です。択一問題は参考書などをひと通り読み終わったタイミング、記述式問題は択一問題がある程度解けるようになったタイミングを目安にしましょう。

正解しても解説は読む

過去問を解く際、問題に正解した場合も解説は読んでおきましょう。なぜなら、解説を読むことで、より良い正解の導き方や正解に至る考え方の間違いに気づく可能性があるからです。間違った問題だけ復習する方法だと、勘で正解した問題を見落としてしまう可能性もあります。

効果的な択一問題の解き方は、選択肢ごとに正解でない理由を記入していく方法です。「何を根拠として正解を選んだのか」という部分まで解説と照らし合わせておくと、知識が深まります。

また、解説には、問題や答えに関連した補足知識が記されていることもあります。補足知識を読むことでも知識が深まるので、正解・不正解にかかわらず解説を読んでおくのがおすすめです。

本番を意識して過去問の演習を解く

過去問は知識を定着させる目的の他に、本番を意識した模試としても使えます。過去問の演習を解く際は、実際に本番と同様の環境を整え、過去問を解いてみましょう。
具体的には、以下の3つのような方法があります。

  • 択一問題と記述問題を一緒に、本番を想定した時間配分で解く
  • 本番が行われる時間と同じ時間帯に解く
  • 慣れない場所や机を使って解く

とくに、本番を想定した時間配分で解くことに慣れておくのは重要です。本試験で焦らないためにも、本番より少し短い時間配分で解くよう意識すると良いでしょう。

記述式対策に独学は難所?

土地家屋調査士の試験勉強を独学で行う場合、択一問題であれば問題なく行えます。しかし、記述式対策を独学で行うのは難しいです。理由としては、以下の3つが挙げられます。

  • 作図や関数電卓の使い方など、用意すべきテキストが大量になる
  • 作図について、テキストの文字情報だけでは理解しにくい
  • 詳細な解説を読んでも、自力で理解するのが難しい

試験時間内で記述問題を全て解くための時間配分、解き方のテクニックなども、テキストやサイトだけでは不十分です。そのため、記述式対策を独学で行うのは難しいと言われています。

こちらの記事では、土地家屋調査士試験に最適なおすすめの関数電卓を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士の試験に欠かせない関数電卓とは?おすすめ11選

記述式は読む順番が大切

記述式は問題文や注意事項のボリュームが多いため、時間内に素早く解くには読む順番が大切です。試験問題の順番通り問題文から読んでいると、問の答えを考える際に何度も長い問題文を読み返さなければならず、時間がかかってしまいます。

おすすめの読む順番は、以下の通りです。

    1. 注意事項
    2. 問題文

まず最初に、注意事項へ目を通します。とくに、土地の問題では「地積測量図の左側に何を記載し、何を省略するのか」が書かれているため、チェックが必要です。
次に、注意事項を踏まえた上で先に問を確認します。問をひと通り確認してから、問題文を読み始めましょう。
先に問の内容を把握してから問題文を読むことで、問に答えるために必要な情報のピックアップも問題文を読むのと同時に行えます。問題文を何度も読み返す手間が省け、時間も短縮可能です。

記述式対策はスクールが有効

記述式対策には、通信講座や対面式の教室などのスクールへの通学が有効です。スクールであれば動画でも学習でき、わからない部分を個人的に質問できます。

記述式対策は、解き方のテクニックを踏まえて複数のテキストを駆使すれば、独学も可能です。しかしスクールに通うのと比較すると、やはり理解度は劣ります。

独学のために揃える複数のテキストの費用や、再受験となった場合の受験料、独学で理解するための時間などを総合的に考えると、記述式対策だけでもスクールに通う方が結果的にコストパフォーマンスは良いでしょう。

土地家屋調査士合格のための過去問厳選

土地家屋調査士の試験へ合格するために解いておいた方が良い過去問は、以下の7つです。

  • 土地家屋調査士 択一過去問マスターⅠ/Ⅱ
  • 分野別 択一過去問題集
  • 肢別 択一過去問特訓本セット
  • 土地家屋調査士 過去問セレクト(午後の部・択一)
  • 分野別 土地書式過去問題集/建物書式過去問題集
  • 土地家屋調査士 記述式過去問(日建学院)
  • 土地家屋調査士 記述式過去問マスターⅠ/Ⅱ

それぞれについて、おすすめのポイントを紹介します。

土地家屋調査士 択一過去問マスターⅠ/Ⅱ

『土地家屋調査士 択一過去問マスター』は、東京法経学院から直販されている択一問題集です。それぞれ「Ⅰ:民法・土地家屋調査士法・不動産登記法、総論」と「Ⅱ:不動産登記法」に分かれています。

2023年11月時点での最新版では、平成元年度から令和4年度までの過去問が収録されています。2023年11月時点で販売されている土地家屋調査士試験の過去問題集としては、最大の収録年数です。

昭和年代の問題も、重要なものがピックアップして掲載されているため、幅広い年代の問題を網羅的に学習できます。必ず購入し、持っておきたい過去問です。

ただしボリュームが大きいため、持ち運びには不向きです。電車内での勉強などには、持ち運びしやすい他の問題集やテキストをおすすめします。

また、書店では販売していないので注意が必要です。東京法経学院のサイトから直接購入しましょう。

分野別 択一過去問題集

『分野別 択一過去問題集』は、LECから直販されている択一問題集です。過去10年分の択一問題が収録されており、LEC専任の講師による解説も掲載されています。

持ち運びしやすいボリュームで、問題と解説が表裏でまとめられているため、外出先のちょっとした時間で学習するのに最適です。

択一過去問題集は、202311月時点で販売されているものは第1分冊と第2分冊に分かれています。また、第1分冊・第2分冊と一緒に、『分野別 土地書式過去問題集』と『分野別 建物書式過去問題集』もついたセットも販売されています。まとめて揃えて学習したい方は、セットでの購入がおすすめです。

こちらも書店では取扱いがないため、LECのサイトから直接購入しましょう。

肢別 択一過去問特訓本セット

『肢別 択一過去問特訓本セット』も、LECから直販されている択一問題集です。202311月時点で第1分冊と第2分冊に分かれて販売されている『肢別 択一過去問特訓本』がセットになったものなので、2冊とも揃えておくのが良いでしょう。

『分野別 択一過去問題集』との違いは、選択肢をばらした一問一答形式になっていることです。選択肢を選ぶよりも、より正確な知識をインプットできます。

また、試験の各科目の分野ごとにまとめられているため、苦手分野の集中学習などにも役立ちます。

こちらも書店では取扱いがないため、LECのサイトから直接購入してください。

 土地家屋調査士 過去問セレクト(午後の部・択一)

『土地家屋調査士 過去問セレクト(午後の部・択一)』は、過去20年以上の過去問からピックアップした重要問題のみを集めた択一問題集です。

東京法経学院やLECの問題集と比較すると収録されている問題の数は少ないため、持ち歩く際の補助的な教材として使うと良いでしょう。幅広い年代の問題をちょっとした時間で学習できるため、択一問題の数を多くこなしたい時におすすめです。

分野別 土地書式過去問題集/建物書式過去問題集

『分野別 土地書式過去問題集』、『分野別 建物書式過去問題集』は、LECから直販されている記述式問題集です。『分野別 択一過去問題集』と一緒にセット販売もされています。

直近10年分の過去問が、LEC専任の講師による解説とともに収録されているため、独学でも理解しやすいのが特徴です。

記述式問題は択一問題とは違い、解く過去問の年数は増やさなくても問題ありません。そのため、10年分を繰り返し解くだけでも十分です。より知識を深められるよう、活用しましょう。

こちらも書店では取扱いがないため、LECのサイトから直接購入してください。

土地家屋調査士 記述式過去問(日建学院)

日建学院から出版されている『土地家屋調査士 記述式過去問』は、充実した解説が魅力の記述式問題集です。直近8年分の過去問が収録されています。

特徴は、各問題の最後に掲載されている、プラスの知識や学びを提供してくれるコラムです。問題に関する知識だけでなく、さらに幅を広げた知識も得られます。

また、土地の問題では、問題を解くために必要な思考法を「未知点算出戦略的思考フロー」と名付けられた方法で身につけられるよう、学習可能です。答えを導くための段取りを学べるので、試験はもちろん、その後の実戦でも役立つ知識を身につけられます。

土地家屋調査士 記述式過去問マスターⅠ/Ⅱ

『土地家屋調査士 記述式過去問マスター』は、東京法経学院から直販されている記述式問題集です。それぞれ「:土地編」と「:建物・区分建物編」に分けられています。

択一問題集『土地家屋調査士 択一過去問マスター』の記述式問題版となっており、択一問題集と同様にボリュームが大きいことが特徴です。202311月時点での最新版では、平成元年度から令和4年度までの過去問が収録されています。

記述式対策としては問題数を多くこなすことは重要ではないため、択一問題集と比べると優先度は低いです。しかし、余裕があれば解いておくと、安心して試験を迎えられるでしょう。

土地家屋調査士試験は過去問で備えれば安心

土地家屋調査士の試験を受けるにあたって、過去問の重要性と活用方法、おすすめの過去問について紹介しました。

土地家屋調査士試験の合格を目指すには、過去問は必須です。テキスト代わりに使ったり、模試の代わりに使ったりして、自分の知識の定着に役立てられます。

過去問を最大限に活用し、しっかり準備を整えてから試験に臨むと良いでしょう。

この記事を参考に、自分に合った過去問を見つけてみてはいかがでしょうか。

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