
土地家屋調査士試験は、不動産登記に関わる知識や測量技術が求められる難関国家資格の一つです。合格率が低いぶん、しっかりとした学習計画を立てることが重要ですが、意外と見落としがちなのが「試験当日に何を持っていくべきか」という点です。必要な持ち物を揃えておかないと、思わぬところで時間や集中力をロスすることがあり得ます。
今回は土地家屋調査士試験の本番直前に押さえておきたい必携アイテムや、持っていると便利なグッズ、さらに会場に持ち込めない物、当日のスケジュール例などを解説します。受験日を迎えたときに焦らないためにも、前日までに忘れ物チェックリストを作成して落ち着いて行動するのが鍵となります。
Contents
土地家屋調査士試験の際に必要な持ち物
まずは、土地家屋調査士の試験において必需品となるアイテムを紹介します。
受験票
土地家屋調査士試験に限らず、国家試験では受験票を忘れてしまうと大きなトラブルにつながります。必ず封筒やクリアファイルに入れ、試験当日にすぐ取り出せる位置に保管しましょう。
受験票には写真を貼付する形式が多いので、貼り忘れがないか確認しておくことが大切です。試験会場に入る前や入室時に提示を求められる場合があるため、会場に到着したらすぐ取り出せるように準備しておくと安心です。
筆記用具
土地家屋調査士試験では筆記試験でのマークシート式の択一問題や書式(実技)問題が含まれます。
以下に、試験当日に用意しておくべき筆記用具をリストで示します。
- ・黒鉛筆(HBまたはB程度)またはシャープペンシル(0.5mm推奨)
- ・替え芯(十分な本数を用意)
- ・濃いめの黒ボールペン(書式などで使用する場合も多い)
- ・消しゴム(予備を含む)
- ・定規や三角スケール、分度器など、図面作成に必要な測定用具
- ・鉛筆削り(持ち込み可能か要確認)
テキスト
土地家屋調査士試験では、通常、試験会場において当日の問題解答中にテキストの持ち込みが認められているわけではありません。ただし休憩時間や試験開始前に見直しをするために、コンパクトな要点集や各種暗記事項がまとめられた冊子を持参すると便利です。
特に難解な法律条文や測量計算の手順を最終確認したい場合、小冊子や自分で作成したノートを持ち込むと、短時間で頭を整理できるでしょう。
飲食物
筆記試験が長時間に及ぶため、エネルギー補給は欠かせません。水筒やペットボトルに入れた飲み物(糖分が含まれたスポーツドリンクやお茶など)を持参し、喉の乾きや頭の疲労を軽減するとよいです。
お菓子や軽食を持ち込む際は、袋を開けるときの音や匂いが周囲に迷惑をかけないように注意が必要です。会場によっては飲食に関するルールが厳しい場合もあるため、事前に確認してください。
土地家屋調査士試験に持っていくと便利な物
必携品以外にも、「持っていると便利だが必須ではない」といったアイテムがいくつかあります。
体調管理や緊急時の連絡手段など、試験を円滑に乗り切るために役立つ物を紹介します。
ハンカチ・ポケットティッシュ
緊張しやすい試験当日には手汗が出る人も多く、筆記用具や用紙が汚れるのを防ぐためにハンカチがあると便利です。夏場は汗ふきにも使えるほか、トイレの洗面台でハンドドライヤーが使用中止になっている場合などにも重宝します。
ポケットティッシュは花粉症や風邪対策のほか、マークシートのミスを消しゴムで消したあとに細かいカスを拭き取るのにも役立ちます
スマートフォン
試験中は電源を完全に切っておかなければなりませんが、会場への行き帰りに公共交通機関の時刻表を調べたり、緊急連絡に対応したりするのにスマートフォンは便利です。迷わずに会場に到着できるよう、マップアプリでルート確認しておくと安心感が増します。
ただし試験中は電源をオフにするルールを破ると大きなペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。
モバイルバッテリー
長時間の移動や待ち時間が発生する場合、スマートフォンのバッテリー切れを防ぐためにモバイルバッテリーを持参すると安心です。万が一の緊急連絡や、帰りの電車を調べる際に役立ちます。試験開始前や休憩時間中に充電をしておき、試験終了後の連絡にも支障が出ないようにするとよいです。
コンパス
土地家屋調査士試験の書式問題では、測量図を作図する場合があり、円弧や角度を正確に描くためにコンパスが役立つケースがあります。
すでに筆記用具として紹介したとおり、定規・三角スケールなども合わせて持ち込む人が多いですが、必要に応じてコンパスを使用すると図面がきれいに仕上がる可能性があります。
ただし会場によって使用ルールが微妙に異なる場合があるため、事前に確認しておくと安全です。
膝かけ・上着
会場の室温が自分の体感と合わない場合、冷房や暖房が強すぎて集中力を削がれるケースがあります。特に秋から冬にかけての実施が多い試験では、季節によっては肌寒く感じる会場もあるでしょう。
膝かけやカーディガンなど軽く羽織れるものを持参しておけば、温度調節が可能になり、試験に集中しやすい環境を作れます。
土地家屋調査士試験の会場に持ち込めない物
持ち込み可能な物とは逆に、試験会場に「原則持ち込めないもの」も存在します。
以下は主に規制されることが多い物品の例です。
- ・参考書や大型の資料、ノート
- ・電子辞書
- ・タブレット端末、PC
- ・カメラ、録音機器など
試験中に書式問題などで条文を参照できるような形式ではありませんし、口述試験中に資料を見ながら回答することも認められていません。
特に電子機器の持ち込みは厳格に制限される傾向があり、机上に置くことを禁止されるケースが多いです。
また、会場によっては危険物扱いとなる大きなカッターや刃物などは当然持ち込み不可です。規定に反すると失格扱いになるリスクがあるため、試験実施機関の「持ち込める物・持ち込めない物」の一覧を事前に熟読しておきましょう。
土地家屋調査士試験のタイムスケジュール
土地家屋調査士試験の筆記試験は、午前と午後に分けて行われるのが一般的です。
以下は一例として、午前試験・午後試験のタイムスケジュールを表でまとめます。年度や試験実施機関の都合で若干の変更がある場合もあるため、公式発表を必ず確認してください。
時間帯 |
内容 |
9:00~9:30 |
受付(受験票確認、机上整理) |
9:30~9:50 |
説明・注意事項アナウンス |
9:50~12:00(午前試験) |
択一問題など筆記(基礎法学・登記法等) |
12:00~13:00 |
昼休憩 |
13:00~13:15 |
午後試験の準備・説明 |
13:15~15:30(午後試験) |
書式(実技)問題 |
15:30~15:50 |
退出準備・答案回収 |
16:00~ |
試験終了・帰宅 |
口述試験に関しては、筆記試験の合格者が後日指定された日時・場所に集合し、個別面接形式で数分から十数分程度行われます。口述試験日程は通常、筆記試験合格発表の際に通知されるため、忘れずにチェックしてください。
必要な持ち物は余裕をもって準備しよう
土地家屋調査士試験の本番当日は、長時間に及ぶ筆記問題と厳かな雰囲気の中で集中力が要求されます。試験に必要な持ち物を揃え、使用する筆記用具や計測用具などの準備をしっかり行うことで、想定外のトラブルを避けられるでしょう。必需品のほかにハンカチや上着などの便利グッズを携行すれば、会場の空調や体調面の不安要素も軽減できます。
また、会場に持ち込めない物についても把握しておかないと、思わぬ違反扱いで失格する可能性があるため注意が必要です。スマートフォンは試験中に電源を切るルールや大きなバッグなどの取り扱いなど、細かな規定を事前に確認しておきましょう。
最後に、試験の日程とタイムスケジュールも把握したうえで、朝の移動時間や昼休憩中の過ごし方などをあらかじめイメージしておくと余裕が生まれます。万全の状態で本番を迎えられるよう、必要な持ち物のリストを作成し、前日までに最終チェックを行うことが合格への第一歩になるはずです。