土地家屋調査士はやめとけといわれる理由と事務所の見極め方

土地家屋調査士は、国家資格として土地の境界・地積を確定し、その後の登記も代行する仕事です。

現場に直接赴き、依頼者の協力のもとで土地の測定を行いますが、フィールドワークが多いことから、きつい仕事と捉えられることがあります。

 

土地家屋調査士について検索をかけるとネガティブな意見やエピソードも目に入りますが、専門的な資格ならではのやりがいや発見も多く、すべての人に不向きというわけではありません。

この記事では、土地家屋調査士の仕事について「やめとけ」「きつい」などと言われる理由について、詳しく解説しています。

 

なぜ仕事が過酷になってしまうのか、ブラックな事務所を見分けるポイントも紹介していますので、ぜひチェックしてください。

土地家屋調査士の仕事はやめとけ!きついと言われる理由

土地家屋調査士の仕事はなぜ「きつい」「やめとけ」などと言われてしまうのでしょうか。

その理由について詳しくみていきましょう。

仕事内容が過酷になることがある

事務所内での内勤がある一方、土地家屋調査士の仕事の多くは外でのフィールドワークになります。土地の測定と、測定に伴う依頼者・隣家への挨拶や説明も業務のうちに入ります。

 

外勤が増えてくると、夏や冬などの季節には気候条件によって体力が奪われることがありますし、過酷と感じられる日も出てきます。

人によっては向かないと感じられることもあるかもしれません。

立会いが上手くいかない

境界を確定するときは、依頼者の隣の土地も含めて確認・測定をします。

 

無断で敷地に立ち入ることはできないため、隣の家にも了解を取らなければなりませんが、インターホンを押しても出ない・手紙や電話連絡にも反応しないケースがあります。

何度もお願いをしてやっと立ち会いの依頼ができても、「勝手にやってください」などと断られるケースもあり、「土地の売却に必要である」と理由を説明し、許可を得なくてはなりません。

 

立ち会いがうまくいかない場合は「筆界特定制度」を最終的な手段として選択しますが、土地の所有者と隣人の双方が納得できなければ訴訟になるため、慎重にお願いをして境界を確定させる必要があります。

景気の現状に影響される

土地家屋調査士の仕事は測量や登記作業ですが、所有する土地を売買しようと考える依頼者が不景気によって減ってしまうと、依頼数も減り収入減につながります。

土地の測量が必要になれば土地家屋調査士の出番も増えますが、その逆も状況によっては起こりうるため、景気に左右されやすい業界といえるでしょう。

独立・開業に失敗しやすい

脱サラから独立開業を行うために土地家屋調査士の資格を取得する方も少なくありませんが、独立開業をしてもすぐに仕事につながるとは限りません。

依頼者のなかには料金の支払いを延滞する、出し渋るケースもあり、その場合収入につながりにくくせっかく事務所を開業しても思ったとおりのサイクルで運営ができなくなる可能性があります。

比較的ブラックな職場が多い業界

現場の第一線で測定や依頼者との話し合いを行う土地家屋調査士は、いわゆる「現場主義」「実力主義」の職場が多く、ひとつでも多くの仕事を受けることをモットーとしている職場もあります。

大手の法人事務所が案件を多く受注するエリアでは、個人の事務所はなかなか仕事につながりにくく、下請けのような仕事を取らざるを得ないブラックな状況も発生しやすくなります。

土地家屋調査士業界のブラック事務所の特徴

土地家屋調査士業界のブラック事務所の特徴は、大きく分けて以下の3点です。

 

土地家屋調査士業界のブラック事務所の特徴

  • 福利厚生や待遇が不足している
  • 現場主義でスタッフに厳しい
  • 成果主義で実力者ほど優遇される

 

まずはどの業界にもみられる、福利厚生や待遇が不十分な事務所です。個人事務所に多く、法人化されている事務所や会社の場合は福利厚生が整っているケースが多くみられます。

 

現場主義であり、「ひとつでも多くの案件を受注する」としてフィールドワークを重視している事務所も、状況によってはブラックになりうる職場です。

スタッフの実力やコミュニケーション力を重視し、成果につながる人ほど優遇される事務所もあります。

 

特に一級建築士や測量士として長く勤めてきた人などがスタッフとして活躍する職場は経験や実力で報酬・待遇が変化しやすく、他の社員と大きく差がついてしまう場合も。

ホワイトな土地家屋調査士事務所を見極める方法やコツ

ホワイトな土地家屋調査士事務所を見極める方法・コツについては、以下のポイントを参考にしてください。

雇用体制が整っているか

福利厚生はもちろん、休暇の数や介護・育児における休暇制度があるかどうか、復職が可能な職場であるかなどをチェックします。

基本的な部分ではありますが、長く働く予定の方はライフイベントの発生に応じて働き方が変化する可能性があるため、事務所のホームページや説明会などで必ず確認するようにしてください。

収入や昇進に関する項目

年収の目安を把握し、資格手当や休出・残業手当が出るかどうかを確認しましょう。

法人に限らず個人の事務所でも収入に関する規定が整っていれば、ホワイトな職場環境と考えられます。

 

昇進については有資格者以外にも条件がついていることが多いため、可能な範囲で確認しておきましょう。

土地家屋調査士として働くメリット

土地家屋調査士は、不動産を売却したい依頼者や土地の境界でもめている人のために土地の境界や地積を確定させ、トラブルを防いだり土地の売却がスムーズに行えるようにサポートをしたりする仕事です。

災害で境界が変わってしまった土地の調査・測定にも活躍するため、人や地域のためになる仕事であり、大きなやりがいにもつながります。

実力とスキルを磨き最適な職場を選ぼう

いかがでしたか?

土地家屋調査士の仕事はつらい・やめとけといわれる一方で、スキルアップを続ければ専門の士業として独立することができます。

 

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