土地家屋調査士に向いている人の特徴を紹介

少子高齢化が進む現在、土地家屋調査士という資格が注目されています。
というのも、土地を分けたり、隣接地との境界を明確にしたりするなど不動産に関する需要は高まりつつあるからです。

そんな将来性のある土地家屋調査士の仕事はどんなタイプの人に向いている職業なのでしょうか?
人から職人気質と言われることが多かったり、何かをとことん調べることが好きだったりする方は、土地家屋調査士に向いているかもしれません。

この記事では土地家屋調査士の資格を取るメリットや、向いている人の具体的な特徴を紹介しています。

土地家屋調査士のキャリアパスについてもお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

土地家屋調査士の概要

土地家屋調査士とは、土地や建物の表示に関する登記を専門的におこなう資格です。
どんな土地・建物かを所有者に変わって登記申請するために、土地や建物の測量や調査もおこないます。
不動産を売買するときのトラブルを防ぐために土地や建物といった財産の現状を正しく評価する役割を担っています。

土地家屋調査士になるためには、記述試験と口述試験に合格しなければなりません。記述試験は毎年10月の第三日曜日に実施されており、合格すると翌年1月に実施される口述試験に進むことができます。

土地家屋調査士の資格をとることの利点

土地家屋調査士の資格を取る利点は、将来性があるという点です。

まず、土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記、土地の筆界特定や分筆、合筆が主な業務です。また、建物を増改築したときには増築登記、逆に住宅を取り壊したときは減失登記をおこないます。農地を宅地にするなど、土地の利用目的を変更する地目変更登記という業務もあります。これらの業務は土地家屋調査士にしかできない独占業務です。そのため、これからも安定した需要が見込まれるでしょう。

とくに少子高齢化によって、相続や空き家が増えることから、土地の分筆や合筆の依頼は増加傾向です。そして、現在その業務を担う土地家屋調査士の高齢化も進んでおり、若い世代への世代交代が予想されます。定年という概念はないものの一線から退く人も多くなるため、これから若い世代の土地家屋調査士への代替わりも予想されます。
このように独占業務と少子高齢化という世の中の変化をふまえると、土地家屋調査士は将来性のある資格と言えるでしょう。

土地家屋調査士が向いている方の特徴

土地家屋調査士は将来性が高いことから、これから資格取得を目指したいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、土地家屋調査士は不動産の表題部の登記をすればいいわけではなく、その土地や建物の調査などもおこなう必要があります。そのため、業務範囲は幅広く、作業によっては向き不向きに分かれることもあります。
では、土地家屋調査士はどんな人が向いているのか、その特徴を見ていきましょう。

こちらの記事では、土地家屋調査士の将来性が高い理由を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地家屋調査士は将来性が高いといわれるわけ

➀職人気質の方

土地家屋調査士に向いているのは、数字に強く、細部にまでこだわることができる職人気質の方です。
というのも、不動産の価値は依頼者の財産に直結するからです。そのため、土地家屋調査士にはミリ単位の正確な測量と図面の作成が求められます。申請書類にミスがないように気を配る必要もあるでしょう。ドローンやGPSなど、業務に関する最新の技術を取り入れる好奇心も必要です。
高いクオリティを確保するために、どんな業務に対しても真面目に取り組める職人気質の方は、土地家屋調査士に向いていると言えるでしょう。

②調べることが好きな方

土地家屋調査士の業務は、「調査士」という資格名の通り調査が基本です。
地図や公的な資料を見たり、現地での測量をおこなったりしながら、登記情報を収集します。
たとえば、隣接地との境界を特定する際には、過去の測量データや登記情報を慎重に調査します。
土地や建物の調査にはコミュニケーション力も欠かせません。土地や建物の所有者だけでなく、隣接する土地や建物の所有者など、さまざまな関係者から話を聞かなければわからないことも多いからです。
このように、さまざまな視点から調査をして、事実確認をするのが好きな方であれば、土地家屋調査士として活躍できるでしょう。

③フィールドワークをいとわない方

土地家屋調査士は、調査という業務の特性上、どちらかというと屋外での作業が多いです。そして依頼者の都合に合わせて現地へ赴きます。そのため、天候や気候を気にせずフィールドワークを楽しめる方は、土地家屋調査士に向いていると言えるでしょう。
もちろん室内での作図や書類作成といったデスクワークも大事な業務ではあります。しかし、作図や書類作成といったデスクワークは基本的に現地での調査をもとにおこなうため、屋外での作業が必須です。デスクワークやフィールドワークをバランスよく取り組みたい方にも土地家屋調査士の仕事はおすすめです。

土地家屋調査士が向いていない方の特徴

続いては、土地家屋調査士に向いていない人の特徴です。
土地家屋調査士の業務はミリ単位よりもさらに小さい単位を扱ったり、土地や建物の調査のために屋外に出て歩き回ったりと、根気や体力を必要とします。そのため、雑な方や体力に自信がない方はきついと感じてしまうかもしれません。
それでは、詳しくみていきましょう。

➀雑な方

土地家屋調査士の業務は、正確さがものをいいます。雑な作業で測量に少しのずれが生じると、不動産の正確な価値が評価できず、公平性や信頼性が失われてしまうからです。

土地家屋調査士がおこなう測量では、トータルステーションという測量機器を使用して、正確な距離や角度を測ります。たとえば、角度は1度を360等分するという、非常に細かい数値が求められます。
そのため、測量機器が垂直水平になるよう細かく調整しなければなりません。
測量機器の微調整や細かいデータ収集が必要なことから、雑な性格の方は土地家屋調査士には不向きでしょう。

②体力に自信のない方

体力的な不安がある方は、土地家屋調査士には向きません。

土地家屋調査士は1日中屋外で作業や、調査する地域を歩き回るなど、いわゆるフィールドワークが多いのが特徴です。もちろん作図や登記申請の書類の作成といったデスクワークも重要な業務です。しかしそれ以上に体力が必要な業務が多く含まれます。
また、複数の依頼を同時に請け負うこともあるでしょう。現場での立ち合いの合間に役所に書類を提出したり依頼者との打ち合わせをしたり、業務はなかなかハードです。

体力的に自信がない方は、比較的負担の少ない宅地建物取引士やマンション管理士などの資格を検討してみるのもよいでしょう。

土地家屋調査士のキャリアの参考例

土地家屋調査士としてのキャリアは独立開業し自分の事務所を構えるか、土地家屋調査士の資格が活かせる企業などに就職するかの2通りです。

まず、資格取得後すぐに開業したい場合は、資格取得前に測量事務所や土地家屋調査士事務所で働きながら経験を積むとよいでしょう。
土地家屋調査士として必要な知識を身につけられるからです。とくに測量技術は実践的な経験を積むことが一番です。
開業後は、キャリアアップとして行政書士や司法書士の資格にチャレンジする方も多くいます。不動産関係の表題部だけでなく権利部の登記もおこなえるようになるため、業務の幅が広がり、収入アップも期待できるでしょう。

独立開業以外では、資格取得後に不動産会社や建設会社など民間の企業への就職や、官公庁で専門家として働くという手段もあります。土地家屋調査士としての知識を企業の利益につなげたり、社会貢献に役立てたりできるでしょう。独立開業するよりも安定的な収入が見込めます。

大きく分けて2通りのキャリアについてお伝えしましたが、土地家屋調査士としての実務以外にも教育研究で人材の育成をするなど、さまざまなキャリアの選択肢があります。

職人気質な土地家屋調査士の仕事は体力が基本

土地家屋調査士は少子高齢化が進み需要が見込まれることから将来性の高い資格です。
そんな土地家屋調査士に向いているのは、調べるのが好きな職人気質の方です。また、泥や草木、虫が多い屋外での作業に抵抗がない方も活躍できる可能性が高いでしょう。

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