土地家屋調査士試験における理想の時間配分とは?

土地家屋調査士試験を受験するうえで意識したいのが「時間配分」です。一見、出題問題が少ないように思えるかもしれませんが内容が難しく、想像しているよりも考える時間を要します。限られた150分間でより多くの問題を正確に答えるためにも、日頃から時間配分を意識して過去問を解くことが重要です。

本記事では、土地家屋調査士試験における理想の時間配分を解説します。おすすめの解答順や重要な得点についても説明するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも土地家屋調査士とは?

土地家屋調査士とは、不動産表示登記に必要な土地や家屋を正確に調査・測量を行う専門職です。不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映させるために、現場に出向いて調査を行います。他にも登記書類の作成や代理申請、審査請求の手続きなどの事務的な作業も行っています。

土地家屋調査士になるためには、まず土地家屋調査士試験に合格するのが一般的です。その後土地家屋調査士会に登録・入会することで、晴れて土地家屋調査士として仕事ができます。試験を受けるのに年齢制限や受験資格などはないため、誰でも受験可能です。

こちらの記事では土地家屋調査士について、業務内容や待遇などを解説しています。あわせてご覧ください。
土地家屋調査士とは?主な業務内容を徹底解説

土地家屋調査士試験の試験科目

土地家屋調査士試験の試験科目は、筆記試験と口述試験に分かれています。筆記試験は「午前の部」と「午後の部」に分かれており、出題範囲が異なるので以下でご確認ください。

  • 午前の部:平面測量10問/作図1問
  • 午後の部:【択一】不動産登記法・民法・土地家屋調査士法などから20問
    【書式】土地・建物から各1問

土地家屋調査士試験の勉強を効率よく行うためにも、まずは試験科目を把握しておきましょう。

土地家屋調査士試験の時間配分

土地家屋調査士試験の時間配分を考えるときは、以下の配分を意識してみましょう。

  • 択一式(20分)
  • 記述式・建物(50分)
  • 記述式・土地(60分)
  • 予備(20分)

それぞれの時間配分について解説します。

択一式(20分)

択一式の理想的な時間配分は20分です。出題数は20問あり、ミスなく正確に1問でも多く正解して点数を稼ぐことが重要になります。民法の問題は3問と少なめですが問題文が長いため、その他の17問から解答するのがおすすめです。

記述式・建物(50分)

記述式・建物の理想的な時間配分は50分です。土地は計算や図面把握に時間を要するため、建物から先に取り組むことをおすすめします。把握・記述に30分、作図に20分のイメージで取り組むのが理想です。把握・記載が早く終われば、作図に時間を回せるでしょう。

記述式・土地(60分)

記述式・土地の理想的な時間配分は60分です。建物よりも複雑な問題ではないものの、計算と作図に時間を必要とします。把握・記述に20分、作図に20分、計算に20分のイメージで取り組むことを意識すれば、時間が取られすぎずにすむでしょう。

予備(20分)

間違った解答をしていないか見直せるように、予備で20分残しておくように配分してみましょう。一度冷静になってから見直すと、案外凡ミスに気づくものです。「マークの位置は合っているか」「記号の書き忘れはないか」など、疑いながらチェックしてみましょう。

解答順は“択一⇒建物⇒土地”が多い

土地家屋調査士試験は択一式からはじまり、建物 ⇒ 土地と解答するケースが多く見られます。どの問題から解いても差し支えはありませんが、建物のほうが土地よりも簡単なことが多いため、解答しやすいという理由があるそうです。先に点数を取れるものから手をつければ、点数を確保しつつ、解答時間を残すことにもつながります。

近年の動向を見るに択一⇒建物⇒土地で解くのが有利ではありますが、必ずしもそうする必要はありません。問題によっては択一⇒建物⇒土地では解きにくいというケースもあるため、臨機応変に対応することも大切です。試験当日は問題をチェックしてから解くようにしましょう。

土地家屋調査士試験が難しいといわれる理由

土地家屋調査士試験は毎年多くの人が受験していますが、合格率は10%前後と低いのが現状です。ここまで合格者が少ないのは、試験問題の難易度の高さが関係しています。ここでは難しいといわれている理由を3つ解説するので、試験勉強に役立ててください。

計算と作図が必要だから

記述問題では、必ず計算と作図が伴います。三角関数や複素数の知識が身に付いていればスムーズに解答できますが、これまで勉強したことがなかった方にとっては苦戦するかもしれません。作図では早く正確に定規を使って作成しなければならず、日頃から作図の練習をしていないと時間が取られる科目でもあります。土地家屋調査士試験は知識だけ蓄積すれば合格するわけではないため、計算や作図などもしっかり勉強するようにしましょう。

民法への理解が必要だから

土地家屋調査士試験において難関といわれるのが、民法問題です。民法では、総則・物権・相続の分野から1問ずつ出題されます。すでに民法について勉強したことがある方であればそこまで難易度は高くありませんが、初挑戦する方にとっては理解に苦しむ分野です。専門用語が多いだけではなく内容にも戸惑う場面が多いため、学習期間から苦戦することも少なくありません。また民法が出題されている過去問も少ないことから、対策を練りにくいのも難しいといわれる理由の一つです。

時間が短いから

午後の部の試験時間は2時間30分と定められていますが、時間内に解かなければならない問題が多数あります。具体的には択一を20問、土地と建物の2件の申請書作成、座標値や辺長・面積を求める計算問題を解いたうえで3つ以上の作図を完成させることです。出題ボリュームに対して試験時間が短いため、効率的に問題を解く必要があります。時間配分を意識することも大切ですが、試験当日までに知識と作図スキルを十分に身に付けることが不可欠です。

土地家屋調査士試験においては択一の得点が重要

土地家屋調査士試験に合格するには、まず択一式と記述式の基準点、合格点の3つをクリアしなければなりません。各点数は毎年一緒ではなく変動しています。ここで押さえておきたいのが、択一式の基準点を超えなければそこで不合格が決まることです。また択一式・記述式どちらの基準点をクリアしないと合格点に達しないのはもちろんですが、基準点ギリギリでは合格点に達しないこともあります。

そこで重要となってくるのが「上乗せ点」です。記述式で点数を稼ぐのは難しいですが、択一式でわかっている問題をミスなく正確に解けば、点数を稼げます。択一式に出題される問題を理解していれば記述式も解きやすくなるため、まずは択一式に力を入れるとよいでしょう。

土地家屋調査士試験の時間配分を把握しよう

土地家屋調査士試験に合格するためには、時間配分を意識することも大切です。一つの問題で時間が取られすぎると、他の問題を解く時間がなくなってしまい、解ける問題も解けなくなってしまいます。余裕を持って試験問題に向き合えば合格点を稼げるかもしれません。そのためにも、過去問で時間配分を掴むようにしましょう。本記事で紹介した理想の時間配分を参考に、問題を解いてみましょう。

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