土地家屋調査士試験に向けて押さえておくべき複素数の概要や計算法

土地家屋調査士試験合格を目指すにあたり、避けて通れないのが複素数計算の勉強です。ただ、何となく難しそうなイメージがあり、勉強する気が起きない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、複素数計算について詳しく知りたい方のため、そもそも複素数計算とは何か、学ぶことによってどういったメリットが得られるのかなどについて解説します。

実際に試験で使う複素数を利用した計算法や注意すべきポイント、おすすめの電卓などについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。この記事を読むことによって複素数についての理解を深められます。

複素数計算とは?

複素数計算とは、座標計算のために行われる計算方法です。そもそも複素数とは何かというと「○+△i」のような形で実数と虚数「i」を組み合わせて表現するもののことをいいます。「i」が虚数単位であり、例としては「3+5i」のようなものです。

難しい話になってしまいますが、土地屋敷調査士試験について考えるのであれば、X座標を表すのが○、Y座標を表すのが△であると頭に入れておきましょう。

通常の計算を行う場合、X座標とY座標についてはそれぞれ別に考えなければなりませんが、複素数計算であれば一つの平面上の座標として扱えるのが特徴です。座標のほか、辺長、面積を簡単に計算できるテクニックといえます。

難しい説明となりましたが、土地屋敷調査士試験合格のために複素数について深く理解する必要はありません。あくまで関数電卓の複素数機能を活用するための知識があれば十分です。

土地家屋調査士試験のために複素数計算を学ぶメリット

複素数計算について理解しておくと、土地屋敷調査士試験において非常に役立ちます。これは、以下のようなメリットがあるからです。

メリット1.素早い計算が可能

複素数計算を活用することにより、通常計算と比較し、素早い計算が可能です。通常計算だと別に扱わなければならないXとYを一つの値として扱えるようになることが関係しています。
通常計算とは計算方法が異なるものの、計算結果は同じとなります。複素数計算について学ぼうか悩んでいる方の中には、試験で複素数計算が使えなくなるような対策を取られてしまうのではないかと不安に感じている方もいるようです。

ですが、複素数計算は特に裏技のようなものではないため、対応されて使えなくなってしまうようなことはありません。

通常計算で答えを導き出す方法もあります。ですが、試験中に効率よく問題を解けるように備えたいと考えているのであれば、複素数計算について学びましょう。複素数計算についてきちんと理解できていれば通常計算の知識がなくても問題なく試験に取り組めます。

メリット2.正確な計算につながる

正確な計算を行うのにも複素数計算が役立ちます。電卓入力はひとつボタンを押し間違えてしまっただけでも計算を間違えてしまうことになるので、慎重に入力しなければなりません。
入力のミスを減らすためには、入力の回数を減らすことが重要です。複素数計算を用いることにより、通常計算と比較すると大幅に入力回数が少なくなります
素早い計算が可能になることに加えて、入力ミスを抑えられるのも複素数計算を活用する大きなメリットといえるでしょう。

メリット3.三角関数が苦手な人でも答えを出せる

複素数計算を利用すれば、座標計算の三角関数についてよく理解できていない方でも値を代入していくだけで答えが出せます。どうしても三角関数がわからないと悩んでいる方こそ複素数計算を活用しましょう。

土地家屋調査士試験で使う複素数を利用した計算法

具体的にどのように交点計算を計算するのかについて解説していきます。関数電卓を用意しましょう。

なお、ここでは、カシオの電卓である「fx-375ESA-N」を例に操作を紹介します。各電卓によって異なる複素数を使うための設定を済ませてから以下に進んでください。

試験の問題では下記のようにすでに分かっている点である「既知点」が載っています。

 

X Y
T1 200 200
T2 -300 400

 

これらを関数電卓に登録していましょう。

T1の入力は、以下のように行います。
「200」「+」「200」「i(ENG)」「shift」「STO(RCL)」「A(-)」

上記は「200」「+」「200」「i(ENG)」を「shift」「STO(RCL)」の操作で「A(-)」に登録するという指示です。

同様にT2も入力しましょう。
「(-)」「300」「+」「400」「i(ENG)」「shift」「STO(RCL)」「B(°′″)」

マイナスについては通常の引き算で使う+や-の-ではなく、上部にある「A(-)」を選択します。登録が完了したら「CA」ボタンで初期紙に戻りましょう。

では、T1とT2の距離を求めましょう。距離を求めるために使うのは「Abs」です。以下のように入力します。

「Abs」「Alpha」「A」「-」「Alpha」「B」「=」

二点間距離以外にもさまざまな計算が可能です。覚えておくと土地屋敷調査士試験中に効率よく検査ができるでしょう。

複素数計算を使うときの注意点

複素数計算で注意しておかなければならないのが、計算結果の書き方についてです。計算結果の座標値を記載する際は、小数点以下第3位を四捨五入して小数点以下第2位まで書きましょう

関数電卓は小数点以下第9位まで表示される設定になっているので、設定を変更しておくと良いでしょう。設定方法は各関数電卓によって異なります。あらかじめ設定を変更しておくことにより、自身で毎回四捨五入する必要がなくなるため、スムーズな計算につなげることが可能です。

四捨五入のタイミングについても間違えないように注意しましょう。座標を四捨五入するのは、辺長である筆界点間距離を求める前です。また、土地の面積を求める前の座標に対しても四捨五入が必要です。
土地屋敷調査試験における複素数計算では、通常計算と計算結果が異なるケースがあると言われることがあります。これは、四捨五入のタイミングを間違えているからこそ起こる問題です。
正しく計算できれば、通常計算でも複素数計算でも導き出される答えは同じとなります。

複素数計算におすすめの電卓

関数電卓にはさまざまな種類があるため、どれを選択しようか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。試験で使用できる電卓は、予備機を含めて2台までです。

プログラム機能を有しているものやプリント機能があるもの、アルファベットやカナ文字が入力できるもの、太陽電池や乾電池といった電池式以外のものは使用できません。

関数電卓を購入する際は、必ず土地屋敷調査士試験に対応しているものか確認したうえで選択しましょう。万が一、条件に該当しない関数電卓を持ち込んでしまった場合、受験の中止を命じられてしまう恐れがあります。

ここでは、おすすめの関数電卓を紹介します。

CASIO fx-JP500

関数・機能数は500以上と非常に高機能でありながらシンプルで使いやすいのが特徴的な関数電卓です。関数計算だけでなく、グラフ表示やプログラミングなどまで幅広くこなします。
解像度が高く、さらに高精細液晶が使われているので、見やすさにこだわりたい方にも向いているでしょう。1画面には4行の日本語が表示できるため、設定する際なども必要な項目などを見つけやすいのも特徴です。

実際に多くの方が土地家屋調査士試験で使用しています。メニュー表示がアイコンなので、直感的に操作できるのも特徴です。

ただ、メモリーの数は9であるため、それ以上に多くのメモリーを求めている方には向いていません。機能性を考えると土地屋敷調査士の試験ではfx-JP500で十分ではありますが、上位機種としてfx-JP700、fx-JP900もあります。

キヤノン F-715SG

メモリーの数の多い関数電卓を選択したい方に向いているのが、F-715SGです。17メモリーであるため、189関数・機能に対応しています。表示桁数:仮数は10桁です。ハードカバーがついているので、持ち運びに強いタイプの関数電卓を探している方も確認してみてはいかがでしょうか。基本機能を押さえた入門機としても活躍してくれます。

 

こちらの記事では関数電卓の選び方のポイントについて紹介しています。あわせてぜひご覧ください。
土地屋敷調査士試験で使用できる関数電卓の特徴と選び方のポイント

試験合格のために欠かせない知識

いかがだったでしょうか。複素数計算とは何か、どのように計算するのかなどについて紹介しました。土地屋敷調査士試験を合格に向けてどういったポイントを押さえておけば良いのかがご理解いただけたかと思います。

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