土地家屋調査士試験とは?試験日程・試験科目・申し込み手順などを解説

土地家屋調査士試験とは?試験日程・試験科目・申し込み手順などを解説

「土地家屋調査士の試験はいつ行われるのだろう?」
「土地家屋調査士の試験科目にはどんなものがあるのだろう?」

このような疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。土地家屋調査士になるためには「土地家屋調査士試験」に合格しなくてはなりません。

試験に挑むにあたっては、資格の概要や試験日、出題される科目について細かく把握しておくことがおすすめです。なぜなら、試験の全容を正しく把握しておくと勉強のスケジュールが立てやすくなるからです。

今回は、土地家屋調査士の合格率や受験の申し込み手順などを詳しく解説しています。土地家屋調査士の資格試験を受けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

土地家屋調査士試験とは

「土地家屋調査士試験」は、国家資格である「土地家屋調査士」になるための試験です。

土地家屋調査士は不動産表示の正確性確保に必要な手続きを請け負うことが主な仕事で、具体的には以下のような業務を行います。

  • 不動産の調査
  • 不動産の測量
  • 不動産の登記

「土地家屋調査士試験」の試験は原則として1年に1度しか行われていないため、資格を取得したい人はタイミングをあわせて受験しなくてはなりません。試験の合格率は10%前後となっており、非常に難しい試験です。

土地家屋調査士の大手予備校である東京法経学院の調べでは、合格者の約半数が「3回以上」受験しているという調査結果があります。1度で合格できる人はごくわずかなので、ある程度の時間をかけて勉強を進めていくイメージを持っておくとよいでしょう。

土地家屋調査士試験の概要

土地家屋調査士の試験について、以下の概要を紹介していきます。

  • 受験資格
  • 願書配布・受付日
  • 試験日程
  • 受験地

土地家屋調査士は法務省が管轄している資格です。試験の詳細は法務省のホームページもあわせてチェックしてみてください。

参照:令和4年度土地家屋調査士試験

受験資格

土地家屋調査士の試験に受験資格はなく、誰でも受験できます。なお、以下の要件に当てはまる人は試験の一部が免除になります。

対象者 免除の内容
令和3年度の筆記試験に合格した者 令和4年度の筆記試験が免除
測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士となる資格を有する者 午前の部の試験が免除(筆記試験の一部)

令和元年以前の受験資格には前年度の合格実績による免除制度はありませんでしたが、令和2年以降から変更されています。

願書配布・受付日

令和4年度の土地家屋調査士試験の願書配布・受付期間は以下のとおりです。

日程 令和4年7月25日(月)~8月5日(金)
窓口受付時間 8時30分~12時/13時~17時15分まで
郵送の場合 令和4年8月5日の消印があるものまでが有効

筆記試験の免除申請をする方も、上記の期間内に必要書類の提出が必要です。

試験日程

土地家屋調査士の試験日は例年、10月の第3日曜日に開催されています。

令和4年度の土地家屋調査士の試験日程は以下のとおりです。

試験日 令和4年10月16日(日)
時間 午前の部 着席時間 9時00分
指定時間 9時15分
試験時間 9時30分~11時30分
午後の部 着席時間 12時30分
試験時間 12時45分
試験時間 13時~15時30分

土地家屋調査士の試験には「着席時間」「指定時間」「試験時間」の3つがあります。令和3年の改定により、指定時間に試験室に居ない場合、または許可なく部屋を出ていた場合は試験を受けられなくなりました。

時間を過ぎてしまうと受験資格を失ってしまうので午前・午後ともに、タイムスケジュールをしっかり確認しておきましょう。

こちらの記事では試験合格に必要な勉強時間について詳しく解説しています。あわせておすすめの勉強法も紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
土地家屋調査士の試験合格に必要な勉強時間は?予備校のメリットも解説

受験地

土地家屋調査士の試験は以下の法務局、または地方法務局にて実施されます。

筆記試験 東京・大阪・名古屋・広島・那覇・仙台・札幌・高松
口述試験 東京・大阪・名古屋・広島・福岡・札幌・高松※筆記試験を那覇で受験した場合の口述試験は福岡で実施

試験会場は地域によって異なり、一例として東京は「青山学院大学青山キャンパス」、名古屋は「名古屋国際会議場」で開催されています。年度により会場が変更になる可能性もあるため、事前に法務省のホームページで確認しておいてください。

土地家屋調査士試験の試験科目

土地家屋調査士試験の試験科目については、法務省のホームページに以下のように記載されています。

    • 民法に関する知識
    • 登記の申請手続(登記申請書の作成に関するものを含む)及び審査請求の手続きに関する知識
    • 登記の申請手続及び審査請求の手続に関する知識

土地及び家屋の調査及び測量に関する知識及び技能であって次に掲げる事項
ア. 平面測量  イ. 作図

  • 筆界(不動産登記法第123条 第1号に規定する筆界をいう)に関する知識
  • その他土地家屋調査士法第3条第1項第1号から第6号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力

試験当日の時間割は以下のとおりです。

内容 問題数
午前の部 ・平面測量・作図 ・多肢択一形式10問・記述式1問
午後の部 ・不動産の表示に関する登記に関する事項であって、申請手続及び審査請求の手続に関する知識及び技能 ・多肢択一形式20問・記述式2問

午前の部は2時間、午後の部は2時間30分が制限時間となっています。

土地家屋調査士試験の難易度・合格率

土地家屋調査士試験の、過去5年の合格率は以下のとおりです。

年度 合格率 受験人数 合格者数
令和3年度 10.47% 3,859人 404人
令和2年度 10.36% 3,785人 392人
令和元年度 9.68% 4,198人 406人
平成30年度 9.54% 4,380人 418人
平成29年度 8.69% 4,600人 400人

土地家屋調査士の合格率は10%前後となっており、難易度の高い試験であることがわかります。

関連資格の合格率と比較すると、測量士が約18%、測量士補は約34.8%となっており、これらの資格よりも難しい試験といえます。

こちらの記事では土地家屋調査士試験の難易度や合格率について詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
土地家屋調査士は難易度の高い国家資格!合格点や基準点について解説

土地家屋調査士試験の申し込み方法

土地家屋調査士試験の申し込み手順は以下のとおりです。

1.「受験申請書」を入手する
受験申請書一式は、全国の法務局(地方法務局)の総務課で受け取れます。または、郵便で自宅に送ってもらうことも可能です。郵送の場合は、返送用の切手や封筒を用意する必要があります。

2.受験に必要な書類に記入します。
氏名や生年月日は戸籍に記載されているとおりに記入してください。もし、書類に不備があると受理されないケースもあるので正確に記入しましょう。

なお筆記試験の免除者は、筆記試験受験票を提出する必要はありません。

3.写真を用意する
無帽で正面から上半身を写した写真が必要です。※宗教上の理由やその他の理由で必要な場合は、帽子やそれに準ずるものが認められるケースもあります。

受験の申請前3月以内に撮影したもので、指定のサイズは5cm×5cmです。

4.午前の部の試験免除を受ける者は、それを証明する書類を用意します。
免除にあたり必要な書類は以下のとおりです。

資格名 必要書類
測量士・測量士補 登録済通知書・登録証書・試験合格証書・資格が認定される学校の卒業証明書および成績通知書
一級建築士・二級建築士 免許証明書・試験合格通知書および資格を有する者であることの証明書

これらの資格所持者の免除制度にはさらに細かな規定があるので、詳しく知りたい方は「令和4年度土地家屋調査士試験受験案内書」をご覧ください。

5.筆記試験の免除を受ける者は、それを証明する書類を用意します。
筆記試験の免除を受ける者は前年度の口述試験受験票の原本と、その写し1通が必要です。郵送にて提出する場合は、原本を返送するための封筒も用意しておいてください。

10月の試験日に向けてスケジュールを調整しよう

土地家屋調査士の資格試験は毎年10月前後に行われることになっています。実は平成29年以前の筆記試験は例年8月に開催されていたのですが、台風の接近による影響を避けるために「10月の第3週目の日曜日」に変更されました。
参照:【重要】平成30年度以降の土地家屋調査士試験の試験実施時期の変更について

比較的、近年の変更となっているため、古い資料を参考にされている方は試験日のスケジュールに注意してください。

資格を取得できるチャンスは1年に1度しかないため、この日に照準をあててしっかりと勉強を進めていくことが大切です。一発合格を目指せるよう、スケジュールを整えていきましょう。

 当サイトでは土地調査士の資格取得を考えている方のために、おすすめの土地調査士の予備校をランキング形式で紹介しています。 ぜひチェックしてみてください。