土地家屋調査士は兼業できる?兼業におすすめの士業も紹介

土地家屋調査士として活躍されている方で、さらなるキャリアアップを目指したい・目指している方もいるという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、土地家屋調査士として兼業の道を探求するあなたに、兼業可能な条件、推奨する士業の種類、そして兼業を成功させるためのヒントについて解説していきます。ぜひご参考ください。

土地家屋調査士は兼業可能か?

まずは早速、土地家屋調査士は兼業可能かを解説していきます。
ここでは、会社員と兼業する場合と、ほかの士業と兼業する場合の2つに分けて見ていきましょう。

会社員と兼業する場合

会社員として働きながら土地家屋調査士の副業を行うことは、一定の条件を満たせば可能です。しかし、土地家屋調査士の仕事には現場での業務や官庁での手続きが必須であり、また、維持費もかかるため、時間的な余裕や経済的な負担を考慮することが必要です。

とくに、平日昼間の電話対応や役所の開庁時間に合わせた活動が求められるため、フレキシブルな働き方が可能な方に適しています。
行政書士や司法書士などのほかの士業との兼業は、専門分野や業務が重なるため比較的実現しやすいと言えます。

土地家屋調査士を副業として検討している方は、自身のライフスタイルや職務内容を考慮しつつ、可能性を探ってみると良いでしょう。

ほかの士業と兼業する場合

土地家屋調査士としての兼業は、多様な士業との組み合わせで相乗効果を生み出します。
とくに司法書士、行政書士、建築士、宅建士との兼業は、不動産や建築に関わる幅広い知識とスキルが求められる現代において、業務の質を高め、クライアントへの提供価値を増大させます。

たとえば、司法書士との兼業では、不動産登記と土地の測量を一貫して提供できるため、クライアントにとってはより便利かつ効率的なサービスとなります。
また、行政書士としては、許認可申請と土地利用の相談に一貫して応じることが可能になり、クライアントの多様なニーズに対応できます。

これらの兼業は、専門性の向上だけでなく、新たな顧客層の開拓にもつながり、土地家屋調査士としてのキャリアにおいて大きなメリットをもたらすでしょう。

ほかの職業と土地家屋調査士を兼業する際の条件とは

次に、ほかの職業と土地家屋調査士を兼業する際の条件を4つ解説します。

  • 平日の昼間に電話対応が可能なこと
  • 役所や法務局の開庁時間に対応できること
  • 測量日に合わせてスケジュールを合わせられること
  • 調査士としての維持費を支払えること

それぞれ解説していきます。

条件①平日の昼間に電話対応が可能なこと

土地家屋調査士の副業は、とくに会社員やほかの士業と兼業する場合、一定の条件を満たす必要があります。
重要なのは、平日の昼間でも電話対応が可能であることです。
これは、業者間のコミュニケーションや登記手続きが主に平日の日中に行われるため、迅速な対応が求められるからです。

とくに会社員として働きながら土地家屋調査士の仕事を副業として取り組む場合、日中の時間が制限されるため、この条件をクリアすることはいっそう重要になります。

条件②役所や法務局の開庁時間に対応できること

土地家屋調査士として副業を行うためには、平日昼間の電話対応や役所・法務局の開庁時間に合わせられる柔軟性が必要です。
とくに、役所や法務局の開庁時間に合わせられることは、土地の測量や資料調査など、現場での仕事や官庁での手続きが多いこの職業において重要な条件となります。

直接役所や法務局を訪問する必要がある場合もあり、これらの条件を満たすことが、副業として成功するための鍵となります。

条件③測量日に合わせてスケジュールを合わせられること

土地家屋調査士として兼業する際には、とくに測量日にスケジュールを調整できる柔軟性が求められます。
会社員や他士業との兼業を考える方々は、平日の昼間でも電話対応が可能であること、役所や法務局の開庁時間内に対応できること、そして測量日に合わせてスケジュールを調整できることが必須条件です。

これらの条件を満たすことができれば、副業として土地家屋調査士の仕事を行うことが可能になります。

条件④調査士としての維持費を支払えること

土地家屋調査士を副業にする際、維持費の支払い能力は欠かせない条件です。
年間の土地家屋調査士会費は138,000円に上り、測量機材やソフトウェアなどの初期投資も必要になります。

これらのコストをカバーできるだけの収入が見込めなければ、副業としての土地家屋調査士は難しいでしょう。
とくに会社員としての本業が忙しい場合、副業としての時間的な制約と経済的な負担をどのようにバランスさせるかが成功の鍵を握ります。

土地家屋調査士と兼業する際におすすめの士業

最後に、土地家屋調査士と兼業する際におすすめの士業を5つ紹介します。

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 建築士
  • 宅建士
  • 測量士

それぞれ解説していきます。

司法書士

土地家屋調査士としての副業は、現在の仕事を続けながら、副収入を得る目的や将来への不安から収入源を確保したい人にとって魅力的な選択肢です。
とくに司法書士との兼業は、双方の専門性が補完し合うため、大きなシナジーを生み出します。

たとえば、司法書士は不動産登記を主業務としていますが、土地家屋調査士の資格を持つことで、土地の測量や境界確定などの業務を自身で行えるようになり、サービスの幅を広げることが可能です。
これにより、一貫したサービス提供が可能となり、顧客満足度の向上につながります。

こちらの記事では、土地家屋調査士と司法書士の違いを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

行政書士

土地家屋調査士としての兼業において、行政書士はとくにおすすめの士業の一つです。
この組み合わせは、不動産登記や土地境界の調査に関わる業務をワンストップで提供できる点で大きなメリットがあります。

たとえば、土地家屋調査士は不動産の測量や登記業務を扱い、行政書士は許認可申請や契約書作成などの業務を担当できるからです。
これにより、クライアントに対してより幅広いサービスを提供できます。

このように、土地家屋調査士と行政書士の兼業は、専門性を活かした総合的なサービス提供が可能となり、双方の資格を持つことで市場価値を高められるでしょう。

建築士

土地家屋調査士と建築士の兼業は、相互に補完し合う知識とスキルを活かし、より幅広いサービスを提供できる点で大きな魅力があります。
建築士としての知識を土地家屋調査士の業務に組み込むことで、建物の設計や建築に関する詳細な調査、法規制の遵守確認、建築プロジェクトでの土地利用計画など、より専門的かつ総合的なサービスをクライアントに提供できます。

この兼業は、不動産と建築の両分野における深い理解を必要とし、クライアントにとって一つの窓口で多角的なニーズに応えられるプロフェッショナルを育成するでしょう。

宅建士

土地家屋調査士と宅建士の兼業は、不動産取引の全範囲にわたり、より深い専門知識とサービスを提供できます。
具体的には、土地家屋調査士の資格を持つことで、土地の境界測量や登記業務を行えるようになり、宅建士としては不動産取引の仲介や重要事項の説明が可能です。
この二つの資格を持つことで、一連の不動産取引を一貫してサポートすることが可能になり、顧客からの信頼獲得につながります。

測量士

土地家屋調査士と測量士の兼業は、実務上大きな相乗効果を発揮します。
この組み合わせにより、土地の境界確定や登記業務を一貫して担うことが可能になり、クライアントに対してより包括的で迅速なサービスを提供できるからです。

たとえば、土地の分筆や合筆登記時に自身で測量を行い、その結果をもとに登記申請をすることで、業務の効率化はもちろんのこと、外部に依頼するコストを削減し、より高い利益を得られます。

土地家屋調査士は条件次第で兼業可能

土地家屋調査士として兼業することは可能ですが、成功するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。
会社員やほかの士業との兼業は、平日の昼間に電話対応ができ、役所や法務局の開庁時間に対応可能で、測量日にスケジュールを合わせられること、さらに調査士としての維持費を支払えることが求められます。

兼業としておすすめの士業には、司法書士、行政書士、建築士、宅建士、測量士があります。
これらの条件をクリアすることで、土地家屋調査士としてのキャリアを充実させ、専門性を高めることが可能です。

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