「土地家屋調査士の合格点は何点?」
「どれくらい難しい試験なの?」
「押さえておくべきポイントはあるの?」
このような悩みを抱えている不動産関係者は多いのではないでしょうか。
不動産業界でスキルアップのために土地家屋調査士を取得しようと考えている人は多いと思います。
ここからは、難易度が高いといわれている土地家屋調査士の合格点や押さえておきたいポイントについて紹介します。
ぜひ、最後までご覧いただき、資格取得の参考にしてください。
Contents
土地家屋調査士試験における合格とは
土地家屋調査士試験は、以下の3つの点数が満たされていないと合格できません。
- 択一式基準点
- 記述式基準点
- 合格点
たとえば、合格点は満たしているのに、記述式基準点が足りないと不合格になってしまいます。
そのため、ヤマを張って勉強しても受かる確率は低く、全体の知識を満遍なく身につける必要があります。
さらに、基準点と合格点は毎年変化するため、気が抜けない状態です。
点数の決まり方
基準点や合格点は受験者数によって毎年変化します。
ここからは、どのように基準点や合格点の点数が決まるのか細かく解説していきます。
- 択一式基準点
- 記述式基準点
- 合格点
それぞれ見ていきましょう。
択一式基準点
択一式基準点は受験者を2,000人程度に絞り込むために点数を設定しています。
そのため、受験者数が増えるほど基準点があがり、受験者数が減れば基準点は下がります。
なぜ2,000人に絞り込むかというと、次に行う記述式の採点の負担を減らすためです。
択一式の基準点に合格しないと記述式の採点をしてもらえません。
そのため、この択一式基準点の採点で受験者は半分の2,000人程度に絞り込まれるのです。
記述式基準点
記述式基準点は受験者の6分の1くらいの人数が残るように設定されます。
人数にするとだいたい700人くらいで、一気に人数が減ります。
点数は30〜35点くらいの間で、記述式基準点を満たしていても合格点に達していなければ不合格です。
また、1回目の試験で記述式基準点を超えていても、翌年優遇を受けられるなど特別な措置はありません。
合格点
合格点は、合格者数の枠をあらかじめ確保し、その枠に合わせて合格点を調整します。
この方法を相対評価といいます。
合格者の枠は毎年400人前後で、あらかじめ決めていた合格者の数を変更することはありません。
そのため、記述式基準点を満たしているのに不合格になる場合もあります。
相対評価を実施している理由は資格の価値をまもるためです。
資格の取得者が多いと、資格を活用できなかったり、仕事に就けていなかったりして、資格の価値が下がってしまう可能性があります。
この状態を無くすために相対評価を取り入れているのです。
近年の合格点の傾向
点数の決め方がわかったところで近年の合格点を紹介します。
年度 | 合格点 |
令和4年 | 79.5 |
令和3年 | 73.5 |
令和2年 | 71 |
令和1年 | 76.5 |
平成30年 | 81 |
傾向として、令和2年の71点からどんどん合格点が上昇しています。
過去10年の情報を見ても合格点が81点を超えることはないため、80点以上を目指して勉強すれば合格も可能でしょう。
また、出題内容は、計算力よりも読解力が求められる問題が多く出題されている傾向にあります。
そのため、高度な計算力よりも、いかにミスを少なくするかが重要です。
土地家屋調査士試験の難易度
土地家屋調査士試験の難易度は高く、合格率は全体の10%程です。
数字だけ見ても、どれくらい難しい試験なのかピンとこない人も多いでしょう。
ここからは、土地家屋調査士試験がどれくらい難しい試験なのか、ほかの資格と比較しながら紹介します。
- ほかの資格との比較
- 難易度が高い理由
それぞれ解説していきます。
ほかの資格との比較
ほかの不動産関係の資格と難易度を比較してみましょう。
資格名 | 偏差値 |
不動産鑑定士 | 74 |
一級建築士 | 66 |
土地家屋調査士 | 64 |
マンション管理士 | 62 |
管理業務責任者 | 58 |
土地家屋調査士はマンション管理士よりも難易度が高く、偏差値は64です。
不動産関係の資格のなかで3番目に難易度が高いということがわかります。
ほかには、行政書士よりも難易度が高いです。
偏差値だけで見ると、一般公務員の試験と同じ偏差値をしています。
難易度が高い理由
土地家屋調査士試験は、難易度が高い資格ということが分かりました。
では、なぜこんなにも難易度が高い資格なのでしょうか。
難易度が高い理由は3つあります。
- 記述式問題が多い
- 試験問題の数に対して試験時間が短い
- 法律分野の勉強が難しい
それぞれ細かく紹介します。
理由①記述式問題が多い
1つ目の理由は、記述式問題が多く、対策をとるのが困難だからです。
記述式問題では、実際に作図したり土地の面積を計算したりします。
選択問題は、運で正解できたり、ある程度問題文を読んだところで解答できたりしますが、記述式の問題は運で正解することはありません。
そのため、計算力や問題文を素早く理解する能力が求められます。
さらに、記述式問題の出題数は年々増加傾向にあるため、素早く問題を解くために経験を積む必要があります。
しかし、1冊の問題集に載っている記述式問題の問題数は少ないため、経験を積むことは困難です。
このように、記述式問題が多いことが土地家屋調査士試験の難易度を上げています。
理由②試験問題の数に対して試験時間が短い
2つ目の理由は、試験時間の短さです。
試験時間は2時間半あります。
長いと感じる人も多いでしょう。
しかし、2時間半の間に解く問題の内容は以下の通りです。
- 20問の択一問題
- 申請書を2件
- 計算問題
- 3つ以上の作図
問題数が多いため、1問にじっくり取り組んでしまうと、時間が足りなくなってしまいます。
そのため、ペース配分を考えながら時間内に素早く正確に問題を解く力が必要です。
理由③法律分野の勉強が難しい
最後の理由は、法律分野の勉強です。
初心者にとって法律分野の勉強は難しく、慣れない言葉や考え方に頭を悩ませる人がほとんどでしょう。
出題範囲は「総則」「物権」「相続」の分野から各3問と少ないのに対し、学習範囲は広いです。
ヤマを張って勉強しようとしても、ヤマが外れたときのデメリットが大きいため、おすすめできません。
そのため、法律分野初心者の人は、漢字や難しい語句を覚えるのに苦労するでしょう。
土地家屋調査士試験に合格するために押さえておきたい3つのポイント
最後に、土地家屋調査士試験に合格するために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
- 測量士の資格をあらかじめ取っておく
- 民法の勉強から始める
- 過去問題を用いて試験勉強をする
ポイントを押さえることで効率よく学習できます。
そのため、これから試験を受けようと思っている人や、試験勉強中の人は参考にしてみてください。
ポイント①測量士の資格をあらかじめ取っておく
1つ目のポイントは、測量士の資格を取得することです。
測量士の資格を持っていると「平面測量10問」「作図1問」の試験が免除になります。
ほかにも、以下の資格を取得していると試験が免除されます。
- 測量士補
- 一級建築士
- 二級建築士
しかし、一番おすすめの資格は測量士です。
なぜかというと、この中で一番合格率が高く、40%あります。
さらに、測量士の勉強内容は土地家屋調査士試験にも応用できるため、学習内容に無駄がありません。
そのため、測量士の資格を取得しておくと土地家屋調査士試験時に有利です。
ポイント②民法の勉強から始める
2つ目のポイントは、民法の勉強からはじめることです。
民法の考え方は独特で、理解するのに時間がかかります。
そのため、早いうちに民法の考え方を理解しておくことで、不動産登記法など不動産に関わる法律も理解しやすくなるのです。
さらに、民法はボリュームもあり、暗記する内容もたくさんあります。
そのため、先に学習を始めることで繰り返し復習が可能です。
ポイント③過去問題を用いて試験勉強をする
3つ目のポイントは、過去問を用いて試験勉強をする方法です。
過去問を用いることによって出題方法の癖や、問われ方を知ることができます。
簡単な表現の違いで解釈が変わってしまったり、ひっかけ問題にひっかかってしまったりすることもあります。
1点の差が命取りになるため、ひっかけ問題には引っかからないようにしておきましょう。
そのため、試験勉強の際は過去問題を用いての学習がおすすめです。
とくに、1つ学ぶごとに過去問題を解くことで過去問題に触れる機会が増えます。
このように、とにかく多く過去問題に触れて、苦手なところを集中的に学ぶことで学習の質が高まるでしょう。
土地家屋調査士試験の対策ができる予備校
土地家屋調査士試験に合格するためには、試験対策ができる予備校での学習がおすすめです。
出題される問題には、独学での学習が難しい分野もあります。
予備校では、難しい計算方法や図式の書き方などを、講師がわかりやすく解説してくれます。
そのため、知識が高まることはもちろん、苦手科目を克服することも可能です。
さらに、一緒に頑張れる仲間がいると、学習へのモチベーションも維持できます。
難易度の高い土地家屋調査士試験に合格するためには、予備校での学習も視野に入れるといいでしょう。
土地家屋調査士で合格点を超えるために予備校への入学がおすすめ
土地家屋調査士試験に合格するための合格点やポイントについて紹介しました。
試験に合格するためには、民法から勉強を始め、過去問題を用いて勉強をするなど学習方法にも工夫が必要です。
しかし、過去問題の入手にも限界があります。
さらに、独学で合格するには難易度が高すぎるため、予備校への入学がおすすめです。
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