不動産、土地のスペシャリストである「土地家屋調査士」。
専門性も高く、また難易度の高い国家資格として知られています。
土地家屋調査士資格を取得するには土地家屋調査士試験に合格することが必要です。
土地家屋調査士資格の勉強方法には独学、通信講座、通学の3種類があります。
働きながら資格取得を目指す場合、どの方法で勉強したらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、土地家屋調査士資格は働いていても取得可能なのか、また土地家屋調査士資格の勉強方法、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
効率良く勉強し、土地家屋調査士資格取得を目指しましょう。
土地家屋調査士資格は働きながらでも取得できる?
土地家屋調査士試験の合格率はおよそ8%〜9%となっており、難関国家資格の一つです。ここでは土地家屋調査士は働きながら取得できる資格なのかについて解説します。
働きながら取得するには計画性が必須
土地家屋調査士資格は多くの方が仕事をしながら取得しています。ただし仕事と資格取得を両立するには
勉強の計画を立て実行することが大切です。
一般的に土地家屋調査士になるためには
1,000〜1,500時間は勉強が必要であるといわれています(人によってもっと長くかかることもあります)。
働きながら1年で合格を目指す場合を考えてみましょう。
1年はおよそ52週であり、1,000時間勉強するには週に約20時間勉強しなければなりません。毎日平均3〜4時間、もしくは平日の2時間ずつに加え土日は4〜5時間は勉強する必要があります。
2年で合格を目指す場合は毎日2〜3時間あるいは平日1時間ずつ・休日は2〜3時間で1,000時間を達成できます。ただし2年前から勉強を始める場合、試験まで時間があることを理由に「気がゆるんで勉強に身が入らない」とならないよう注意が必要です。
働きながら資格取得を成功させるポイント
働きながら資格取得を目指す場合、まとまった勉強時間を確保するのは難しいでしょう。仕事はもちろん生活のための時間も必要です。そうなると残された時間はごくわずかしかありません。
そこですき間時間を利用し、通勤時間の列車の中でテキストを読むと決める、家では必ず10分は勉強すると決めるなど毎日少しずつでも学習をすすめましょう。
こうした
小さな積み重ねが後で大きな差となって現れます。 また2年後の合格を目指す場合でも1年で、あるいは一回の試験で合格するつもりで勉強することも大切です。
土地家屋調査士試験は一回で合格する人が少ないといわれています。他の受験者も何度も受験しているから自分も一回では無理、という心構えで勉強するのはやめましょう。
何年にもわたってモチベーションを維持するのはよほど意志が強くない限り難しいため、
最初から一回で合格するつもりで勉強することをおすすめします。
働きながら資格取得を目指す場合どの方法が自分に合っているのか、途中で投げ出さずに続けられる方法はどれかをよく考えてみましょう。
残業が多い職場だと難しい
繰り返しになりますが、土地家屋調査士の資格取得には
1,000時間〜1,500時間の勉強が必要です。働きながら勉強する場合、仕事がある日でも2〜3時間は勉強時間を確保しなければなりません。
残業が多い職場の場合1日あたりの勉強時間2〜3時間を確保するのは困難でしょう。本気で資格取得を目指すのであれば残業が少ない仕事に転職する、あるいは仕事を辞めて勉強に集中することも考える必要があります。
土地家屋調査士試験は独学でも合格できる?
土地家屋調査士試験は難易度が高い試験ですが、独学でも合格は可能です。ただし、合格するにはそれなりに努力しなければなりません。
独学でも不可能ではない
独学でも土地家屋調査士の試験に合格するのは不可能ではありません。ただし、
独学で合格を目指すのはかなりの努力が必要です。
土地家屋調査士資格を独学で勉強するためのテキストは多くありません。またテキストがあっても難しい内容のものが多く、独学ですべてを理解するのはハードルが高いといえるでしょう。
独学での合格を目指す上で必要なこと
独学での合格を目指すには、どんなことがあっても合格するという強い意志を持って計画的に勉強する必要があります。
こちらの記事では、独学で資格を取得するための効率的な勉強法などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
自分でこれだ!と選んだテキストを使う
独学の場合テキストを自分で用意しなければなりません。
「これならわかる」と実感できるテキストを購入しましょう。
テキストの読みやすさはもちろん解説のわかりやすさも大切です。なぜその解答が出たのかがていねいに解説されているかチェックしてみてください。
試験に必要な電卓や定規の使い方などを解説を読んで理解できるか、最新の法改正に対応しているかも重要です。出版されたのはいつか、法改正に対応しているのか必ず確認してから購入しましょう。
計画性
独学で土地家屋調査士資格試験に合格するには、試験までのスケジュールを決めその通りに実行していくことが大切です。
効率よく、スムーズに内容を理解するには以下の順番で勉強するのがおすすめです。
- 「民法」「不動産登記法」「土地家屋調査士法」の択一式(複数の選択肢の中から適当なものを一つ選ぶ解答方式)問題
- その後計算や作図
- 土地や建物の記述式問題
- 択一式、記述式の過去問題
民法をはじめに学ぶのは、
土地家屋調査士の関わる不動産売買や譲渡、相続、登記などは民法が基礎となっているためです。民法を理解することでその後の法律の理解もしやすくなります。
絶対に合格するという強い気持ち
独学で土地家屋調査士資格試験に合格するには、何よりも
「絶対に合格する」意志が大切です。通学や通信講座でもモチベーションを保つのは難しいですが独学ならなおさらでしょう。
モチベーションが保てない理由の一つに勉強方法はこれでいいのだろうか、自分以外はもっと先に進んでいるかも、といった「不安」があります。独学の場合、こうした不安を自分で何とかしていかなければなりません。
土地家屋調査士を独学で目指すメリット
独学には費用が節約でき、自分の都合に合わせて勉強できるメリットがあります。
メリット① 費用が節約できる
独学の大きなメリットは受験のためにかかる費用を抑えられることです。
通信講座は30〜40万円、予備校では50万円程度の費用が必要ですが、独学はテキスト代と模試などその他を合計しても10万円以内で収まるでしょう。
しかしテキストのみの学習は実践的な問題に弱い面があります。電卓を使って計算したり図面を作成したりする問題はテキストを読むだけで理解できないこともあるでしょう。
また択一式の問題は自己採点が可能ですが、記述式の問題は自己採点が難しく正解と自分では思っていても受験の際に減点されるケースもあります。
メリット② 自分のペースで勉強できる
独学は移動の時間が不要で自分の都合に合わせて好きな場所で勉強できます。また苦手、覚えにくい、わかりにくい部分の復習に自由に時間をかけられます。
しかし自由である反面、勉強に身が入らない可能性もあります。独学はペースを崩さず、計画的にコツコツと勉強できる、決めたことはやり通す方にはおすすめの学習方法です。
土地家屋調査士を独学で目指すデメリット
勉強の途中、自分で考えたり解説を読んだりしても理解できない場面は必ずあります。しかしそんな場合でも独学の場合質問や相談する人はいません。そのため、そこで資格取得をあきらめてしまう方もいます。
資格取得のためには1〜2年、場合によってはそれ以上の時間継続して勉強しなければなりません。長い間モチベーションを維持できることが合格には必須といえるでしょう。
デメリット①軌道修正が難しい
独学での勉強は、一旦軌道を外してしまうともとに戻すのが困難です。とくに働きながら資格取得を目指す場合、忙しさを理由に勉強しなくなる可能性があります。
忙しい、時間がないといって「今日は勉強しなくてもいい」が重なるとどんどん勉強が遅れます。よくあるのはこうした勉強の遅れが続き、当初予定していた勉強のスケジュールから外れ、軌道修正が難しくなり資格取得をあきらめてしまうパターンです。
デメリット②勉強に集中できない
独学で学習する場合、机や椅子、照明などの学習環境が整っていないことが理由で集中できず、勉強の効率が上がらないことがあります。またスマートフォンが目に入ると気になって集中できないことがわかっているなら、あらかじめ目につかないところにしまうなどの対策をしておきましょう。
独学が向いている人
土地家屋調査士資格を独学で取得するのは難しいですが不可能ではありません。ここでは、どんな人が独学での取得が向いているのかについて解説します。
独学が向いているのは合格までモチベーションを保ち勉強を続けられる人、最後まで投げ出さない人です。
そのほか独学が不利にならないのは司法書士や行政書士など不動産登記や民法の知識がある人です。択一問題の勉強を一からする必要がなく試験には有利でしょう。そのほかマンション管理士も強みを発揮できます。
また、登記や測量になじみがある土地家屋調査士事務所で働いた経験がある人や数学や数字に強い人も有利といえます。記述式の問題では計算問題が必ず出題されるためです。
土地家屋調査士を通信講座で目指すメリット
独学で勉強すれば費用の節約にはなりますが、働きながらの場合は相当の努力と覚悟が必要です。できれば通信講座や予備校への通学で学ぶことをおすすめします。まずは通信講座について詳しく見てみましょう。
メリット① 費用を抑えながらプロのサポートを受けられる
一般的に予備校への通学に比べて通信講座の方が費用は抑えられます。また通信講座は基本的な学習は自分ですすめる必要がありますが、独学との大きな違いはプロの講師に質問ができたりアドバイスが受けられたりする点です。疑問を解決することで知識が定着し、学習の質が高くなるでしょう。
メリット② 自分の学びたいペースで受講できる
通信講座は独学同様、学習する時間や場所を選びません。すき間時間を活用したり昼休みに勉強したりすることが可能です。仕事などで忙しくても生活に合わせ自分のペースで受講できます。
通学のように直接講義を受ける場合、内容を聞き逃してしまう可能性があります。通信講座ではテキストや動画を見返せるため知識をしっかりと定着させられるでしょう。
土地家屋調査士を通信講座で目指すデメリット
通信講座にはメリットもありますがデメリットもあります。メリット・デメリット双方について理解しておきましょう。
デメリット① 独学より費用がかかる
通信講座は通学ほどではありませんが独学よりは費用がかかります。しかし通信講座には効率的に学習できることやサポートの面などで独学にはない大きなメリットがあります。
デメリット② やるべきノルマを溜めてしまうリスク
通信講座も独学と同じように、忙しさなどを理由に課題ができないことがあるでしょう。しかしその状態が続き、ノルマが溜まってしまうと勉強を止めてしまう可能性があります。
通信講座は自分のペースに合わせて学習できますが、通学に比べ止めやすい面があることは否定できません。講座を途中で投げ出さない秘訣は、習慣化するまで強い意志をもって毎日少しずつでも勉強を続けることです。
通信講座が向いている人
通信講座は通学に比べモチベーションを維持できるかどうかは自分次第です。モチベーションは保てる、しかし独学よりもわかりやすい教材やサポートが必要な人は通信講座での学習が向いています。
土地家屋調査士を予備校通学で目指すメリット
通学による学習では予備校に通って対面で講義を聞きます。通学のメリットについて解説します。
メリット① わからないことはすぐに質問できる
通学で学ぶメリットはわからないことがあれば直接講師に聞けることです。独学の場合は自分で理解するまで調べなければならず、時間がその分かかってしまいます。通学の場合はその場ですぐ聞けるため効率よく勉強がすすめられるでしょう。
メリット② 直接対面でサポートを受けられる
各学校によってサポートの方法は変わりますが、メールや電話だけでなく直接対面で合格に必要なサポートを受けられる点は通学の大きなメリットでしょう。
試験の内容についての質問だけでなく学習の進め方や口述試験対策、作図の技術アドバイスなどサポート体制が充実している学校を選ぶことも大切です。
土地家屋調査士を予備校通学で目指すデメリット
土地家屋調査士を予備校に通学して目指す場合のデメリットについて解説します。
デメリット① 費用が高額
独学や通信講座に比べて、費用の面で通学はもっとも高額です。通学は対面による講義が中心で、教室の賃料や講師の人件費がかかること、生徒を集めるための広告宣伝費が必要なことが関係しています。
デメリット② 講義の時間が決められている
講義はリアルタイムであり開始時間や終了時間が決まっているため、忙しい人は受講のためにスケジュールを調整する必要があります。通学は決まった時間を勉強に充てられない人には向いていません。
通学が向いている人
予備校への通学が向いているのは勉強のために時間やお金を使える人、最短で合格したいと考えている人、独学や通信講座では続けられる自信がない、直接人から教えてもらいたい人です。
土地家屋調査士になるための費用
土地家屋調査士になるためにそれぞれの学習方法で必要な費用について解説します。
独学
独学の場合はテキストや過去問題集、模試を受験する費用が必要です。費用は10万円程度になることが多いでしょう。
模試が必要な理由は自己採点が難しい記述式の解答をプロに添削してもらうためです。テキストや問題集は新品のほかに中古で入手することもできますが、発行年や対応年度をよく確認する必要があります。
通信講座
通信講座の場合は30万円〜40万円程度の費用がかかります。通信講座により講義の時間やテキスト、サポート内容やカリキュラムに違いがあるため各講座の特徴を調べ、どの講座が自分に合っているのかを確認してください。
予備校
予備校への通学は学校によって違いがありますが平均すると40万円〜50万円程度の学校が多いようです。通学の場合は自習室が利用できることが多く、集中して勉強したい人にはおすすめです。
働きながら土地家屋調査士を目指すには
土地家屋調査士資格は働きながらでも取得できます。
働きながら独学で勉強する場合、時間の使い方を工夫したりなどスケジュール管理を自分でしなければなりません。またモチベーションを維持するのが難しいのがデメリットです。
働きながら効率よく勉強するには通信講座がおすすめです。通信講座にはわからないところがあれば質問ができる、通学に必要な時間が不要で費用も通学よりは安いメリットがあります。
東京法経学院では、働きながら土地家屋調査士の資格取得を目指す方のためにさまざまな通信・通学講座をご用意しています。
東京法経学院の特徴は充実した講座数です。はじめて土地家屋調査士試験を受験する方も、学習経験者の方も必ずご自分に合った講座を見つけられるでしょう。
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