
土地家屋調査士試験では関数電卓が必須です。
試験会場に持ち込んで使用できる関数電卓の機能は細かく指定されています。
禁止された機能のある関数電卓を使用した場合は、試験を受験できなくなることもあるので、充分に注意が必要です。
持ち込んで使用できる関数電卓は、法務省が一覧を公開しているので、確認しておくと良いでしょう。
ここでは、土地家屋調査士の試験を受ける人が安心して使える、おすすめの関数電卓をご紹介します。
Contents
土地家屋調査士の関数電卓の使い方
関数電卓は、単なる四則演算だけでなく、三角関数や対数、座標計算など、高度な計算機能を備えた電卓です。
土地家屋調査士の試験と実務では、この機能をフル活用して、土地に関する様々な計算を行います。
一般的な関数電卓の使い方
一般的な関数電卓は、通常の電卓と同様の数字キーや演算キーに加え、sin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)といった三角関数を計算するキーや、座標変換、メモリー機能などを呼び出すための多くのキーが配置されています。
これらのキーを組み合わせることで、複雑な数式を効率的に計算することが可能です。初めはキーの多さに圧倒されるかもしれませんが、土地家屋調査士試験で頻繁に使う機能は限られているため、基本的な操作から一つずつマスターしていくことが重要です。
土地家屋調査士試験での使い方
土地家屋調査士試験の午後の部では、関数電卓を駆使して様々な座標計算を行います。主なものに、2点間の距離と方位角を求める計算、既知の点から特定の距離と角度にある点の座標を求める計算、そして複数の座標点から多角形の面積を算出する面積計算などがあります。
これらの計算を効率的に行うために、多くの受験生が活用するのが「複素数計算(コンプレックス)モード」です。座標値(X, Y)を複素数(X + Yi)として入力し、電卓のメモリー機能と組み合わせることで、複雑な交点計算や座標展開を、数式の入力回数を最小限に抑えながら、迅速かつ正確に行うことができます。
試験本番では1分1秒が惜しいため、これらの計算手順を身体が覚えるまで繰り返し練習し、無意識レベルでキー操作ができる状態を目指す必要があります。
いかに速く、正確に電卓を叩けるかが、試験時間内に全ての問題を解ききるための生命線となります。
実務での使い方
土地家屋調査士として独立開業した後も、関数電卓は日々の業務に欠かせない重要なツールです。試験で求められた座標計算は、実務の基本そのものです。現場で測量したデータを基に、土地の境界点を計算したり、分筆・合筆する土地の面積を正確に求めたり、あるいは建物新築時の位置出しを行ったりと、あらゆる場面で関数電卓が活躍します。
実務では、試験のように決められた問題を解くのではなく、自ら測量計画を立て、必要な計算を選択し、その結果に責任を負わなければなりません。
そのため、計算の正確性はもとより、様々な状況に対応できる応用力が求められます。受験勉強の段階から、単に問題を解くためだけでなく、「実務で境界を確定させるため」といった目的意識を持って電卓操作の訓練を積むことが、将来プロフェッショナルとして活躍するための礎となります。
関数電卓の種類
一言で関数電卓と言っても、その機能や価格によっていくつかの種類に分かれます。
土地家屋調査士試験の観点から、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
スタンダード関数電卓
スタンダード関数電卓は、四則演算に加えて、三角関数や指数・対数計算といった基本的な科学技術計算機能を備えた、最も一般的なタイプの関数電卓です。土地家屋調査士試験で使用が認められているのは、このスタンダード関数電卓に分類されるモデルです。
複雑なプログラム機能やグラフ描画機能を持たないシンプルな構造ですが、試験で求められる座標計算を行うには十分な性能を備えています。価格も比較的手頃で、数千円程度で購入できるモデルが主流です。
プログラム関数電卓
プログラム関数電卓は、スタンダード関数電卓の機能に加えて、ユーザーが独自の計算式や一連の操作手順を「プログラム」として本体に記憶させ、ワンタッチで呼び出して実行できる機能を持っています。
定型的な計算を自動化できるため非常に便利ですが、このプログラム機能が「計算機能付きの小型電子機器」の範囲を超えると見なされるため、土地家屋調査士試験では使用が禁止されています。不正行為を疑われることのないよう、プログラム機能付きのモデルは選ばないようにしましょう。
グラフ関数電卓
グラフ関数電卓は、入力した数式をグラフとして液晶画面に描画する機能を備えた、最も高機能なタイプの電卓です。関数の視覚的な理解を助けるなど教育現場で活用されますが、これもプログラム関数電卓と同様に、土地家屋調査士試験では使用が認められていません。試験対策としては完全にオーバースペックであり、選択肢から外すべき種類です。
土地家屋調査士試験で使う関数電卓を選ぶ方法
試験の合否を左右する重要な相棒選びは、慎重に行わなければなりません。
ここでは、土地家屋調査士試験用の関数電卓を選ぶ際にチェックすべき6つの重要なポイントを解説します。
①試験への持ち込みが許可されている
最も重要な大前提は、その電卓が試験会場への持ち込みを許可されているモデルであることです。法務省が公表する試験の実施案内には、使用できる電卓の要件が明記されています。後述しますが、プログラム機能や通信機能、印刷機能などを持つものは使用できません。確実に使用が認められている、実績のある定番モデルの中から選ぶのが最も安全で賢明な選択です。
②複素数計算ができる
土地家屋調査士試験の座標計算を効率的に行う上で、複素数(コンプレックス)計算モードは必須の機能と言えます。X座標とY座標の組み合わせを、一つの複素数として扱うことで、計算手順を大幅に簡略化し、入力ミスを減らすことができます。ほとんどの試験向けモデルには搭載されていますが、購入前には必ずこの機能の有無を確認しましょう。この機能を使いこなせるかどうかが、計算スピードに直結します。
③メモリ数が多い
メモリ機能は、計算の途中結果や、頻繁に使う座標値などを一時的に記憶させておく機能です。例えば、A、B、Cといった複数の境界点の座標値を、それぞれ電卓のメモリー(A, B, C, M, X, Yなど)に格納しておくことで、後の計算で数値を再入力する手間を省き、計算ミスを防ぐことができます。
メモリ数が多ければ多いほど、多くの数値を記憶させておくことができるため、複雑な問題に対応しやすくなります。少なくとも、A, B, C, D, X, Y, Mといった主要なアルファベットキーに対応するメモリを備えたモデルを選ぶのが望ましいです。
④画面表示が見やすい
試験本番の緊張状態では、普段ならしないようなケアレスミスが起こりがちです。液晶画面の表示が見やすいことは、そうしたミスを防ぐ上で非常に重要です。数字や記号がはっきりと大きく表示されるか、コントラストが調整できるか、といった視認性をチェックしましょう。近年では、教科書通りに数式を表示できる「自然表示」機能を持つモデルが主流となっており、入力した式を確認しやすいため、計算ミスを大幅に減らすことができます。
⑤使いたい機能が利用しやすい
キーの配置や押し心地(クリック感)といった操作性も、計算スピードに大きく影響します。自分の手の大きさや指の動きに合っているか、頻繁に使うキー(メモリーキー、方向キーなど)が押しやすい位置にあるか、といった点を実際に触って確認するのが理想です。また、特定の機能を呼び出す際の操作手順がシンプルであることも重要です。複雑なキー操作が必要なモデルは、本番での焦りにつながる可能性があります。直感的に操作できる、自分にとってストレスの少ないモデルを選びましょう。
⑥予備校やテキストで使用されている
独学ではなく、予備校を利用して学習を進める場合や、市販のテキストをメインに使う場合は、その講義や解説で使われている電卓と同じモデル、あるいは同系列のモデルを選ぶのが最も効率的です。講師が解説するキー操作や計算手順を、そのまま自分の電卓で再現できるため、操作方法で迷うことなく、学習内容の理解に集中できます。
多くの受験生が使っている定番モデルは、予備校でも採用されているケースが多く、安心して選ぶことができます。
土地家屋調査士試験で電卓を使う際の注意点
試験本番で「電卓が使えない」という最悪の事態を避けるため、ルールを正確に把握しておく必要があります。
試験で使用できない電卓がある
法務省の「土地家屋調査士試験受験案内書」には、使用が認められない電卓が具体的に定められています。
主なものは以下の通りです。
- プログラム機能があるもの(計算式を記憶させる機能など)
- 印字(プリント)機能があるもの
- 通信機能(赤外線通信など)があるもの
- 音が出るもの
- 漢字やカナ、アルファベットなどの文字列を入力できるもの(関数名などを除く)
- 電源として電池式(太陽電池・乾電池等)以外のものを使用するもの(AC電源など)
これらの規定に抵触する電卓は、試験会場に持ち込むこと自体ができません。自分の電卓がこれらの機能を持っていないか、事前に必ず確認してください。
電卓は2台まで持ち込める
土地家屋調査士試験では、関数電卓を2台まで試験会場に持ち込むことが認められています。これは、受験生にとって非常に重要なルールです。
万が一、試験中にメインで使っている電卓が故障したり、電池が切れたりした場合、予備の電卓があれば、パニックに陥ることなく試験を続行できます。
予備の電卓は、メイン機と全く同じモデルを用意するのが理想です。キー配置や操作感が同じであるため、違和感なくスムーズに計算を引き継ぐことができます。合格を確実にするための「保険」として、必ず2台の電卓を準備して試験に臨むことを強く推奨します。
土地家屋調査士試験で使えるおすすめの関数電卓3選
上記の選び方のポイントや注意点を踏まえ、多くの受験生や予備校から支持されている、実績のあるおすすめの関数電卓を3機種紹介します。
カシオ「fx-JP500」
多くの予備校で推奨されており、受験生の間で最も定番とされているモデルの一つです。高精細な液晶画面による「自然表示」に対応しており、入力した数式が教科書通りに表示されるため、非常に見やすく、ミスの発見が容易です。
キーの配置も直感的で操作性が高く、複素数計算やメモリー機能など、試験に必要な機能はすべて備えています。機能と価格のバランスが良く、どの電卓にすべきか迷ったら、まずこのモデルを検討すれば間違いないでしょう。
キヤノン「F-789SG」
カシオのモデルと並んで人気が高いのが、キヤノンの「F-789SG」です。このモデルも、数式を自然に表示する機能を備えています。カシオ製品と比較して、キーのクリック感がしっかりしている、あるいはデザインが好みであるといった理由でこちらを選ぶ受験生もいます。
機能面ではカシオの定番モデルと遜色なく、試験対策として十分な性能を持っています。最終的には、キーの押し心地など、個人の好みで選ぶと良いでしょう。
シャープ「EL-501J-X」
上記2機種に比べて機能はシンプルで、価格も非常に手頃なエントリーモデルです。自然表示機能はありませんが、その分、操作が単純明快で、基本的な関数計算に特化しています。メイン機として使うには機能的にやや物足りなさを感じるかもしれませんが、コンパクトで安価なため、「予備機」として持っておくのに最適な一台と言えます。
万が一の事態に備えるための2台目として、カバンに入れておくと安心です。
最適な関数電卓で試験対策を
ここまで見てきたように、関数電卓は単なる計算道具ではなく、土地家屋調査士試験の合否を左右する戦略的な武器です。自分に合っていない電卓を使い続けることは、計算スピードの低下やミスの増加に直結し、大きなハンディキャップを背負うことになります。
逆に、自分の手に馴染み、思考を妨げずに直感的に操作できる「相棒」のような電卓を見つけることができれば、計算にかかる時間を大幅に短縮できます。そして、短縮によって生まれた貴重な時間を、問題の読解や、記述式答案の作図・構成といった、より思考力が求められる部分に充てることができます。この時間の余裕が、試験本番での落ち着きと、得点力の向上に繋がるのです。ぜひ、様々な情報を参考に、自分にとって最適な一台を見つけ、徹底的に使いこなしてください。
土地家屋調査士の試験では自分が使いやすい関数電卓を選ぼう
今回は、土地家屋調査士の試験の際に使うおすすめの関数電卓について紹介してきました。
ご自身にとってどんな関数電卓が必要か判断する材料となりましたでしょうか?
実際に使ってみて使いやすいと感じるものが自分のベストです。
おすすめの関数電卓を参考に、自分に合うものを選んでみてくださいね。
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