土地家屋調査士試験の合格への道は決して簡単とは言えませんが、正しい準備と理解があれば、必ず乗り越えられるでしょう。

本記事では、土地家屋調査士の筆記試験の全体像から、足きり点と合格点の決め方、合格するための具体的なポイントについて詳しく解説していきます。
土地家屋調査士試験のための学校を探している方は、ぜひご参考ください。

そもそも土地家屋調査士の筆記試験とは

土地家屋調査士の筆記試験は、不動産のプロフェッショナルを目指す方にとって重要な関門です。

この試験は、例年10月の第3週日曜日に実施され、筆記試験と口述試験の二部構成で行われます。
筆記試験では、土地や建物に関する民法、不動産登記法、土地家屋調査士法などから出題され、択一式20問と書式問題2問に2時間30分で挑戦します

とくに、測量士や建築士の資格を持っている場合、午前の部分が免除され、より有利に試験に臨めるでしょう。受験資格に制限はなく、誰でも挑戦可能です。

この試験を通じて、土地家屋調査士として必要な幅広い知識と技能が問われます。

こちらの記事では、土地家屋調査士の口述試験の日程や勉強の方法を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

土地家屋調査士の筆記試験の合格率

土地家屋調査士の筆記試験の合格率は年々変動しており、令和元年度から令和4年度までの合格率を見ると、その難易度の高さがうかがえます。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和元年 3,785人 406人 9.68%
令和2年 3,785人 392人 10.36%
令和3年 3,859人 404人 10.47%
令和4年 4,404人 424人 9.62%

令和4年度は合格率が9.62%となり、これは前年度の10.47%からわずかに減少しています。

とくに注目すべきは、合格率が受験者数の減少によって影響を受けている点です。
受験者数が減少しているにもかかわらず、合格者数はほぼ一定(約400人)を保っており、これが合格率の微増減につながっています。

この傾向は、土地家屋調査士試験が持続的な難易度を維持していることを示しており、受験者にとっては一筋縄ではいかない挑戦であることが伺えます。

土地家屋調査士の筆記試験における足きり点と合格点

ここからはいよいよ、土地家屋調査士の筆記試験における足きり点と合格点を紹介します。
そこで、以下2つの疑問とともにそれぞれ解説していきます。

  • 足きり点とは何か
  • 合格点とは何か

当然、満点を目指すのは重要ですが、現実的に得点計画を立てることが最重要です。

足きり点とは何か

土地家屋調査士の筆記試験では、合格には「足きり点」と「合格点」の両方をクリアすることが必要です。
「足きり点」とは、択一式と記述式それぞれに設定されている最低限の点数で、これを下回るとそこで不合格となります。

たとえば、令和5年度では択一式基準点が35点、記述式基準点が29点と設定されていました。
これは、土地家屋調査士試験が相対評価であり、合格者が一定数確保されるように調整されることを意味します。

合格するためには、これらの基準点を超えるだけでなく、全受験生の中で優れた成績を収める必要があります。

合格点とは何か

土地家屋調査士の筆記試験において、合格点は毎年受験生のパフォーマンスに基づき変動する相対評価で設定されます。
たとえば、令和5年度の合格点は72点、一方で択一式の基準点は30~35点、記述式の基準点は同様に30~35点で推移しています。

この点数制度は、資格の価値を守り、適正な合格者数を保つために設けられています。
合格には、択一式と記述式の両方で基準点を超えることが必要であり、さらに合格点に達することが必要です。

足きり点と合格点の決められ方

土地家屋調査士試験の足きり点と合格点は、年度ごとに異なりますが、その決定方法には一貫した基準があります。
足きり点は、試験の択一式問題で最低限必要な理解度を測るための基準点です。

合格点は、全体の試験範囲にわたる総合的な知識と技能を評価するための基準です。
足きり点の設定は、受験者が一定の基礎知識を有しているかを確認することで、試験の質を保持しようとする試みから来ています。

一方、合格点は、年度によって変動し、受験者全体の成績分布を考慮して決定されます。
これにより、試験が一定の難易度を保ちつつ、公平性を確保しているのです。

足きり点の場合

足きり点の設定は、択一式問題において受験者をある程度絞り込む目的で設けられており、受験者数の約半数、およそ2000人を対象とした点数が基準となります。
これは、記述式問題の採点が手作業で行われるため、効率的に採点作業を進めるための措置です。

あらかじめ定められた合格者数の枠内で調整されるため、受験者はただ単に基準点を超えるだけでなく、高い競争率を勝ち抜く必要があるでしょう。

合格点の場合

土地家屋調査士試験の合格点は、年度ごとに変動する相対評価により決定されます。
受験者間の競争という性質上、合格者数が一定を保つように設定され、資格の価値を維持するための措置です。

たとえば、令和5年度の合格点は平均して70~80点の範囲で推移し、基準点を満たした上での得点が重要となります。
合格者数を約400人程度に保つため、合格点は毎年調整される仕組みです。

土地家屋調査士試験に合格するためのポイント

最後に、土地家屋調査士試験に合格するためのポイントを2つ紹介します。

  • 択一式の問題は必ず足きり点を超える
  • 記述式問題は「建物」で得点を稼ぐ

それぞれ解説していきます。

ポイント①択一式の問題は必ず足きり点を超える

土地家屋調査士試験では、合格の鍵は択一式の問題の足きり点を超えることにあります。
とくに、択一式では15問から18問を確実に解答することが推奨されており、これが足きり点をクリアする上での最低ラインとされています。

さらに、択一式の問題をクリアできない場合、記述式の採点に進めません。
そのため、合格に向けては、まず択一式の問題で確実に足きり点を超えることが絶対条件となります。

土地家屋調査士試験合格への道は過去のデータと効率的な学習法にあり、その一歩として択一式問題の足きり点クリアが不可欠です。

ポイント②記述式問題は「建物」で得点を稼ぐ

土地家屋調査士試験において、記述式問題で「建物」の問題は得点源となり得ます。

過去のデータ分析から、記述式で高得点を狙う戦略として、「建物」の問題に注力することを推奨します。
とくに、建物問題では20点以上を目指し、土地問題に比べて得点しやすい傾向にあるため、合格への近道とも言えるでしょう。

このアプローチは、土地家屋調査士試験の厳しい合格基準を満たす上で、択一式問題と合わせて、重要な戦略の一つとなっています。

土地家屋調査士の筆記試験における足きり点はおよそ30~35点

土地家屋調査士の筆記試験は、不動産に関する専門知識を問う重要な試験です。
合格率は厳しく、とくに足きり点と合格点をクリアすることが求められます。
足きり点は、試験の初歩的な理解を測るものであり、合格点は全体的な知識と技能の習得度を示します。

合格するためのポイントは、択一式問題でしっかりと足きり点を超えることと、記述式問題では建物に関する問題で高得点を目指すことが重要です。
この試験を通じて、不動産業界におけるプロフェッショナルとしての地位を確立するための第一歩を踏み出しましょう。

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